feature-top

 「いすに座ってじっとしていられない」「いすに座って姿勢を保てない」。そんな子どもたちの行動をサポートする教具が使われています。その名も「センサリーツール『ふみおくん』」。新潟県三条市の会社員、大橋清二さん(55)が約2年かけて開発しました。【梅田麻衣子】

 「ふみおくん」は、いすの前脚の左右にわたされた赤いくさり状の太いゴムが、足裏でふまれたり、足の甲で伸ばされたりして使われます。足を動かすことで心地よい刺激を与えます。

 大橋さんは会社員を続けながら、「センサリーツール研究所」を立ち上げ、現在も商品開発にたずさわっています。長男が自閉症のため、発達障害児についても学んでいました。参加した講演でアメリカには特性に困っている子どもたちをサポートする道具があることを知りました。当時、日本国内には同じような役目を果たせる道具がありませんでした。

 「日本にないのなら自分が作る」。そして同じ悩みを持つ子どもたちの助けになりたい。その信念のもと、貯金を取りくずしながら試行錯誤をくり返し、「ふみおくん」を2018年に発売しました。

 これまで全国に約7万本出荷しており、SNSで広がったのをきっかけに、特別支援学校や小学校の通常学級でも利用が増えてきているそうです。大橋さんは「大なり小なり、みな感覚刺激は必要なので、入学時に小学1年生全てのいすに取り付けられることが目標です。そうなれば(感覚刺激ツールが)当たり前の世の中になっていくと思います」と言います。

 「ふみおくん」は赤、青、グレーの3色があります。好みの色を使ってほしいという理由のほかに、グレーは通常学級で使用するときに目立たないようにいすの脚になじむ色を、という開発者の大橋さんの思いが込められています。

 大阪市天王寺区など3か所に教室がある放課後等デイサービス「アフタースクールスマイルステーション」では、全ての教室のいすに赤色の「ふみおくん」を装備しています。先生たちの中には、過去に小学校の先生として教えていた人も少なくありません。実際に現場で児童たちが持参して使っていた「ふみおくん」の効果や必要性を感じていたこともあり、全教室で導入しています。

 現在、天王寺教室内で「ふみおくん」を使用しながら勉強している小学4年の女の子は「使いやすいし足元に(ふみおくんが)あると、安心して勉強ができる」と笑顔を見せます。

 運営するウイズユースマイル代表で元小学校教諭の後藤裕美さん(63)は「使用することで子どもたちは落ち着き、集中力も自然と上がっています」と話しています。

This is the title
This is the content
Ok
Cancel