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 毎日新聞の東京本社があるパレスサイドビル(東京都千代田区一ツ橋1の1の1)に来たことはありますか?

 皇居のすぐ横にあり、地上9階、地下6階建てのビルに100を超える企業・団体のオフィスやお店、郵便局などが入っています。東京メトロ東西線の竹橋駅につながっていて、お昼時には地下1階の飲食店街がにぎわいます。僕がいる学芸部や毎小編集部は4階にあります。床から天井までガラスの大きな窓の外には皇居の緑が広がっていて、とても気持ちがいやされます。

 そのパレスサイドビルが10月1日、開館60周年を迎えました。実はこのビル、戦後に建てられたオフィスビルの中でただ一つ「日本の近代建築20選」に選ばれた、すごいビルなんです。

 完成したのは、日本が敗戦から立ち上がり、暮らしがどんどん豊かになっていった高度経済成長期の1966(昭和41)年。2年前に開かれた東京オリンピックに合わせて高速道路が造られ、高層ビルが次々に建てられた時代です。設計したのは日建設計という会社の林昌二さん。まだ30代でした。

 幅が約200メートルあるこのビルは、細長い二つの四角い建物と、高さ約50メートルの「コア」と呼ばれる白い円筒形の二つの塔を組み合わせたユニークな形が特徴です。部屋の面積をできるだけ広くするため、エレベーターや階段、トイレはコアの中に集められています。当時珍しかった全面ガラス張りの外観を採用し、芝を植えた屋上庭園もいち早く設けるなど、都市型オフィスビルの先駆けといえる存在なのです。

 9月1日にあった60周年記念シンポジウムで、大阪・関西万博の大屋根リングを設計した建築家の藤本壮介さんは、パレスサイドビルを広島平和記念資料館(広島市中区)や国立代々木競技場(東京都渋谷区)などとともに好きな名建築に挙げ、「近代建築の金字塔。いろいろな可能性を秘めており、ずっと残ってほしい」と話しました。

 ビルはドラマやCMのロケにも使われ、「=LOVE」のミュージックビデオにも登場します。宇宙船の中のようなエレベーターホール、宙に浮いているように見える「夢の階段」、屋上近くにあるハトのオブジェなど見どころがいっぱいです。ぜひ来てください。

 小学生のころは図工とサッカーが好きでした。記者になってからは自分が書いた記事とイラストが一緒に新聞に載ったことも。1974年、愛知県生まれ。広島や新潟、大阪に住んだこともあります。

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