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AIが急速に進歩し「人類滅亡論」まで出るなか、AI先進国・アメリカでは、差し迫った問題に直面している人たちがいます。

AIに仕事が奪われ始めている現場を取材しました。

■AI進化で奪われる仕事…米大手企業で広がる人員削減

高柳光希キャスター:

AIが成長していく中で、人が行っている仕事が代替されてしまうという現状がアメリカ国内で起きています。

実際にアメリカの大企業では、AI導入によって人員削減されました。

【人員削減されたアメリカの企業】※ロイター通信によると

▼Amazon(2026年1月発表)

約1万6000人削減

▼メタ社(2026年4月発表)

従業員全体の1割にあたる約8000人削減

▼マイクロソフト(2026年7月発表)

約4800人削減

アメリカ現地では、今どのようなことが起きていますか?

JNN米・ロサンゼルス支局 吉田駿平 記者:

アメリカではAI技術の活用がかなり進んでいます。

例えばロサンゼルスでは、運転手のいない自動運転の車が街中を走るのが見慣れた光景にもなっています。

日常生活でも仕事においても、AIを使うのは当たり前の状況で、それによって雇用面では事務職やエンジニアなど、オフィスワーカーの仕事がAIに代替され始めていると言われています。

■エンタメ業界を襲うAI波及 表現者を守るためのルール作りは?

高柳キャスター:

ロイター通信などがアメリカの有権者を対象に行った最新の世論調査では、「AIが雇用を奪う脅威」と回答をした人は84%に上っています。

この数字だけを切り取っても高いと感じますが、不法移民を「雇用の脅威」と答えた人が60%なので、その数字を大きく上回っている水準でもあります。

実際に、雇用に影響は出ているのでしょうか?

JNN米・ロサンゼルス支局 吉田駿平 記者:

様々な分野で影響が出ていますが、特に大きな影響を受けているのが「ハリウッドのエンタメ業界」です。

AIツールの活用で、映像制作の作業が大幅に効率化し、多くの制作スタッフや俳優、声優らが仕事を失う危機に直面しています。

【人員削減されたエンタメ業界】

▼ウォルト・ディズニー

4月:1000人

7月:数百人

▼Netflix

約1000人(全従業員の6%相当)

今回取材した声優のリベラさんによると、「AI音声は人間の声を学習させることによって、人の感情まで表現できるように改良されつつある」ということで、「数年後には、AIと人間の区別がつかなくなるのではないか」と不安を口にしていました。

高柳キャスター:

表現者を守るルール作りについて、ロサンゼルスではどのように整備されているのでしょうか?

JNN米・ロサンゼルス支局 吉田駿平 記者:

カリフォルニア州では先日、AI俳優やAI音声を広告に使った場合は、その旨を明記しなければいけないという法律が作られました。

徐々にではありますが、表現者を守るためのルール作りが整備され始めています。

■AI時代に見直される「ブルーカラー」 年収1700万円超の技術者も

高柳キャスター:

アメリカや日本にかかわらず、整備が進められているということです。

一方で、AIにとって代わられない仕事として改めて評価をされているのが、「ブルーカラー」と言われる、技能職など現場作業が中心の仕事です。例えば建設や運輸、製造などです。

▼アメリカ国内での年収の中央値(※米・労働統計局より)

5万980ドル=日本円で約800万円

▼送電線設置・修理工

9万5320ドル=日本円で約1510万円

▼エレベーター・エスカレーター技術者

10万9910ドル=日本円で約1740万円

全体の中央値と比べても倍ほどの年収で、改めて評価されているという現状です。

このような現状を踏まえると、学生などが目指す仕事も少しずつ変わってくるのではないでしょうか?

JNN米・ロサンゼルス支局 吉田駿平 記者:

アメリカでは「ブルーカラー」が見直され始めています。

手に職を付けようと専門的なスキルを学ぶ職業訓練学校に行く若者も増えています。入学者数も増加していて、今や大学の入学者数よりも高い増加率になっているそうです。

■解雇より“配置転換”か 今後の日本は…

高柳キャスター:

では、日本ではどういった動きになっていくのでしょうか。

第一ライフ資産運用経済研究所の柏村祐 主任研究員によると、「数年以内にアメリカのような状況が訪れ、ホワイトカラーの賃金は伸び悩むのではないか」と話していました。

ただ、日本国内では解雇に対する規制が厳しいので、「解雇」というよりは「人員の配置転換」が予想されます。

パソコンでの作業がAIに代替され、人と会って交渉をする営業職など、AIではできない仕事に配置転換されるのではないかということです。

日比麻音子キャスター:

数年前にハリウッドで起きた、脚本家や俳優による大規模なストライキが記憶に残っています。その後、様々なルール作りができているとはいえ、そのスピードよりも遥かに早くAIも進化していますから、どう向き合っていくのか、深刻な問題だなと思います。

蓮見孝之キャスター:

何か大きな災害が起きると我々キャスターは会社に出社します。しかし、それには当然20~30分の時間がかかります。その間に1秒でも早くAIが喋ってくれて、1人でも多くの方を救えるのであれば、「お願いしたい」という気持ちも実はどこかにあります。一方で、「人が伝えなければ」という気持ちと葛藤している状況です。

今は、目が不自由な方向けに解説放送というものがあります。大量の文章を読むのはかなり大変なので、そういったところはAIに代替してもらうというのも1つの案としてはあるのかなとは思っています。

南波雅俊キャスター:

アナウンサーの業務の中でも、スポーツ実況というのはある種「最後の砦」とも言われていました。

ただ、感情を乗せるAIに進化しているという状況ですから、数年後、あるいは10年後には代替される可能性もある。

だからこそ、我々も技術を高めなければいけないですし、活用できるようになったらどう活用するのかという社内や全体的なルール整備というのは重要だなと思います。

日比キャスター:

AIでも人間でも適材適所というのは必ずあると思います。先を見るよりも、今できることを積み重ねることで、より良い向き合い方があるのではないかなとも思いました。

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<プロフィール>

吉田駿平

JNN米・ロサンゼルス支局記者

AI関連の取材などを担当

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