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【10月7日 AFP】乗り物を一切使わず、南米から28年かけて5万キロを歩き、英国への帰還を目指していた冒険家が、ついに英仏海峡(ドーバー海峡)を泳ぎ切って英国の土を踏んだ。広報担当者が6日、明らかにした。

元空挺部隊員で冒険家のカール・ブッシュビーさん(57)は1998年11月、南米チリのプンタアレナスを出発。飛行機や列車、船、車両などの乗り物を一切使わずに、英北部ハル近郊にある母親の自宅を目指す旅に出た。

28年の歳月を経て計29か国を巡ったブッシュビーさんは5日午後、英仏海峡を泳いで渡って英南東部に上陸した。安全上の観点から、海峡横断については事前に公表しなかった。

ブッシュビーさんは6日、「これだけの年月を経て、英国の土を踏むのは実に気分が良い」とコメントし、「決して簡単な道のりではなかったが、それこそが目的の一部だった。自分には、思っている以上の能力があると証明すること。人は誰しも、想像以上のことを達成できる」と続けた。

旅の途中では何度も足止めを喰らった。ロシア政府からビザがなかなか発給されなかったほか、2008年の世界金融危機や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でも中断を余儀なくされた。

そのような時には旅を一旦中断し、再開に向けて準備を進めた。再開可能になると、中断した場所へと戻り、徒歩の旅を再開した。問題が解消されるまでの間は、主にメキシコに滞在していた。

5日、ドーバーのすぐ南に位置するシェイクスピア・ビーチで水から上がったブッシュビーさんは、家族や友人らから迎えられた。ビーチには、この旅程を記録し、長編ドキュメンタリー映画『ウォーク・オブ・ライフ』を手掛けているドイツ人映画監督ヴェルナー・ヘルツォーク氏と撮影クルーの姿もあった。

映画の制作会社は過去16年間にわたり資金面や物流面でブッシュビーさんを支援し、旅の様子を自ら記録するための機材提供や映像アーカイブの管理を行ってきた。

この壮大な旅でブッシュビーさんは、南北アメリカ大陸を縦断し、アラスカからロシアへ向けてベーリング海峡を渡った。その後、ユーラシア大陸を東から西へと陸路で踏破し、英国に戻った。

先月、フランス北部でAFPの取材に応じた際には、英国で「普通の生活」に戻ることに一抹の不安をのぞかせていたブッシュビーさん。

「完全に無一文でのスタートになる。再び社会人として地に足の着いた生活を送れるようやっていかなければならない」(c)AFP/Joe JACKSON

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