(CNN) イスラエルのテルアビブへ向かうアラブ首長国連邦(UAE)の航空会社フライドバイの旅客機内で先月30日、別の操縦士を襲撃した疑いが持たれている操縦士について、過激思想への懸念から昨年、オマーンの国営航空会社で職務を外されていたことが分かった。事情に詳しい複数の情報筋2人がCNNに明らかにした。
情報筋2人とイスラエル当局者によると、この操縦士はオマーン国籍のハマム・ハマミ容疑者。サウジアラビア国営メディアもハマミ容疑者と特定している。情報筋の1人によると、UAEでオマーン人の父親とシリア人の母親の間に生まれ、UAEで数年生活した経験を持つ。
ビジネス向けSNS「リンクトイン」でハマム・ハマミという名の人物のプロフィルを見ると、オマーン航空に7年勤務して昨年2月に退社した後、昨年6月にロイヤル・エア・モロッコに入社し、今年1月に退社したとされている。フライドバイについての記載はなかった。情報筋の1人はこのプロフィルについて、9月30日の事件に関与したフライドバイの操縦士本人のものだと確認した。プロフィルはその後削除されており、CNNはリンクトインにコメントを求めている。
中東で外交官を務める2人目の情報筋はCNNに、ハマミ容疑者は過激思想を巡る懸念を理由に飛行訓練から外され、オマーン航空で別の職務に配置されたと明らかにした。
イスラエルのネタニヤフ首相は10月1日、ハマミ容疑者について「イスラム過激思想の洗脳」を受けたとの見方があることを明らかにした。
イスラエル当局者がCNNに明かしたところによると、ハマミ容疑者はフライドバイで勤務し始めてからわずか8カ月。別の情報筋は、容疑者は以前にロイヤル・エア・モロッコに勤務していたと説明した。
今回判明した点を踏まえ、航空業界の採用における身元調査の重要性が改めて問われそうだ。CNNはオマーン航空やロイヤル・エア・モロッコ、ドバイ政府の報道対応部門にコメントを求めている。
フライドバイは、捜査中の事件のためコメントできないとしている。
リンクトインのプロフィル欄にあった投稿は2件だけで、9月30日、事件からおよそ9時間後に相次いで投稿されていた。
誰が投稿したのか、事前に予約投稿していたのかは不明だ。
最初の投稿では、米ボーイングの新型旅客機「737MAX」の操縦室内で撮影された一連の映像が取り上げられている。30日の事件で目的地を変更してサウジに向かったのは、フライドバイの737MAX8だった。
映像の一つでは、撮影者がイスラエルのエルアル航空の機体にズームインする場面が見られる。CNNは映像の撮影地点をドバイ国際空港と特定した。
動画に映る操縦室のスクリーンには、「OMA624」という便名と2023年10月11日の日付が表示されていた。この便名は通常、UAEのドバイからオマーンの首都マスカットへ向かう便を表す。日付はハマミ容疑者がオマーン航空に勤務していた時期と一致する。
動画の他の映像には、エルアル航空の別の機体のほか、イスラエルのアルキア航空の機体も映っている。
動画はオサマ・ビンラディン容疑者の死後に国際テロ組織アルカイダを率いたアイマン・ザワヒリ容疑者と、09年の自爆攻撃で米中央情報局(CIA)の職員や請負業者7人を含む9人を殺害したフマム・ハリル・アブムラル・バラウィ容疑者の写真で終わる。バラウィ容疑者はアルカイダに忠誠を誓っていた。
2件目の投稿には、イスラム教の3大聖地メッカとメディナ、エルサレムを光り輝く1本の軌跡で結んだAI(人工知能)生成の画像が使われている。バックグラウンドでは屈辱を拒み、死を恐れず、自らの尊厳を守るという抵抗の詩が読み上げられている。
ハマミ容疑者のリンクトインには、英国のバッキンガムシャー・ニュー大学で学んだ経歴が記されていた。大学の情報筋はCNNに対し、同名の男性が3年間の通信教育課程を修了し、23年に航空マネジメントの学位を取得して卒業したことを確認した。
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