【10月1日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は今週、政府ウェブサイト向けの人工知能(AI)チャットボットを披露し「非常に素晴らしい」と称賛した。しかし、トランプ氏の政治的主張と矛盾する回答をしたことで注目を集め、公開の翌日には一部の政治的な質問を受け付けなくなった。
ウェブサイト「America.gov」は、政府の情報や連邦サービスへのアクセス簡略化を目指し、9月29日に開設された。サイトには「米国の皆さん、こんにちは。政府に求めるものが何であれ、ここから始めてください」とのメッセージが掲げられた。
しかし運用開始早々、チャットボットは2020年米大統領選挙や2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件などの意見が対立している問題をめぐり、トランプ氏の主張と矛盾する内容の回答をした。
米シンクタンク「米州デジタル民主主義研究所(DDIA)」は、「America.govは事実と公式文書を活用し、移民や選挙に関する政権の誤った論調や政治的論理の一部を否定した」と指摘。
さらに「これまでの分析によると、トランプ氏や現政権の主張と矛盾する場合であっても、America.govは概して政府記録に裏付けられた証拠ベースの回答を提供していた」と述べた。
運用開始当日、2020年大統領選で大規模な不正投票があったかとの質問に対し、チャットボットは「選挙後の公式な連邦評価では、結果を変えるほどの規模で不正は発見されなかった」と回答した。
これに民主党議員らは即座に反応し、チャットボットの回答をSNSに投稿した。
カリフォルニア州選出のアダム・シフ上院議員は29日、X(旧ツイッター)で「ついにトランプ政権の関係者から率直な答えが得られた」と述べ、ジョー・バイデン前大統領が2020年大統領選で勝利したとするチャットボットの発言のスクリーンショットを添えた。
しかし30日に同じ質問を投げかけると「私は過去の選挙に関する政治的見解や分析は提供しない」とチャットボットは答えた。これについては、政権が大統領側の主張を否定しないよう、設定を変更したかどうかは明らかになっていない。
ホワイトハウスの報道官はAFPに宛てた声明で「America.govは、国民に最も正確で信頼性の高い連邦情報とリソースを提供するため、今後も更新を続けていく」と述べるにとどめ、チャットボットの回答については触れなかった。
しかし30日の時点でも、トランプ氏によるその他の主張をチャットボットは否定し続けた。
バイデン前大統領政権下で米国が「史上最悪のインフレ」を経験したとするトランプ氏の主張については、「労働統計局(BLS)の公式な消費者物価指数(CPI-U)データは、2021〜2025年に米史上最高のインフレを記録したことを示していない」「『史上最悪のインフレ』という主張は、公式のCPI記録によって裏付けられていない」と回答した。(c)AFP/Anuj CHOPRA
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