ロンドン/ニューヨーク(CNN) バーや劇場、レストランが並ぶロンドン中心部は、紛争地帯には見えないかもしれない。だが店主らの多くが今、厳しい戦いに直面している。危険をはらんだデバイスともいわれるメガネ型端末、スマートグラスをめぐる戦いだ。
スマートグラスを使うと、装着者が見ている場面の動画や画像の撮影や録音ができる。米メタがスマートグラスで提携する仏メガネ大手エシロールルックスオティカによると、昨年の販売台数は700万台を超えた。メタは今週開催した今年の開発者会議「メタ・コネクト」で、カメラを搭載しないスマートグラスを発表したと伝えられる。韓国サムスンと米グーグルはこの秋、共同開発のスマートグラスを発売する予定だ。
だがスマートグラスの技術が広まるにつれ、批判的な声も強まっている。男性たちが女性を無断で撮影しているような動画がSNSに投稿され、本人たちの同意は得ているのか、こういう技術を既存のプライバシー法で規制できるのかと物議を醸してきた。
米ニューヨークやオーストラリアと同様、ロンドンではこの技術に対する市民や企業の反応がいち早く表れている。ホスピタリティー、エンターテインメント業界の一部施設はスマートグラスの規制や禁止に踏み切り、バス停にはスマートグラス反対の広告が掲げられるようになった。メタのスマートグラスのポスターに登場する米実業家カイリー・ジェンナーさんの顔を骸骨(がいこつ)のように改変し、「われわれは常に監視している」と書き足した広告もある。
英国では先月から、法廷へのスマートグラスの持ち込みが禁止された。
ロンドン市民らはCNNに、バーやレストランなど一定のプライバシーを守りたい社交の場でスマートグラスが使われることに不安を感じると話した。
英国のパブチェーン大手「ウェザースプーンズ」は店内の客に対し、スマートグラスでの撮影を禁止している。ロンドン中心部の店舗にいた学生のザックさんは「飲んでいる時に撮られるのはちょっと勘弁してほしい」と語った。知らないうちに撮られているような人々の動画をTikTok(ティックトック)で見たことがあると話し、スマートグラスの録音ランプを隠す行為は「あり得ない」と非難した。
同じく店を訪れていたセレナさんも、知らずに動画を撮られてどこに流れるか分からないような事態になるのが心配だと話した。
ウェザースプーンズの報道担当者はCNNとのインタビューで、「メタのスマートグラスについては、『カメラを切ってほしい』と直感した」と述べた。
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