ロンドン(CNN) 鮮やかな赤い制服に、背の高い黒の毛皮の帽子。バッキンガム宮殿前に立つ近衛兵たちの姿は、ロンドンを訪れる誰もが目にしているはずだ。
しかし英王室のシンボルでもあるあの帽子が、本物のクマの毛皮が使われているという理由で論議の的になっている。超党派の議員団はこのほど、クマの毛皮の使用は「正当化できない」として、合成素材への切り替えを政府に促した。
近衛兵の帽子には、カナダで合法的に駆除されたクマの毛皮が使われている。しかし議員団はルーク・ポラード国防相に宛てた書簡の中で、本物の毛皮の使用をやめて人工毛皮を採用するよう要請。「動物福祉の推進を掲げた政府の公約に沿い、適切な人工毛皮代替素材の開発・採用に向けてメーカーと積極的に連携」するよう要請した。
書簡ではさらに、本物のクマの毛皮を使い続けることは「現代の倫理基準に合わない」と述べ、代替素材の開発が進められる間は新規の発注を中止すべきだと主張。「このプロセスが続く間にも、クマたちが石弓で撃たれて殺され、子グマたちが親を失い、その毛皮が新しい帽子の製造に使われている」と訴えた。
動物愛護団体のPETA英国支部は、情報公開請求で入手したデータとして、クマの毛皮の帽子の発注は2024年に22個、25年は96個だったと明らかにした。
PETAは24年の反対運動の中で、帽子1個を作るのに、クマの毛皮少なくとも1頭分が必要だと指摘。国防省が17年から24年7月までに調達した帽子は526個だったとしたうえで、少なくとも同数のクマが殺されたと訴えていた。
国防省の報道官はCNNに対し、「クマの毛皮の帽子を人工毛皮の代替品に切り替えることを支持している。代替素材は我々が定めた五つのテストに合格しなければならない」とした。
同省が代替素材に求めるのは、吸水性、耐浸水性、外観、乾燥スピード、圧縮特性の5条件。セレモニーの間も形状を維持できること、安全で快適に着用できることなどを、現役の近衛兵が承認する必要がある。
さらに、持続可能性や価格の妥当性、長期的な適合性といった条件を満たした素材が、クマの毛皮の代替素材候補として検討されることになる。
近衛兵の帽子の歴史は19世紀にさかのぼる。目的は、戦場の兵士の背を高く、堂々と見せることにあった。
籐(とう)で枠組みが作られた帽子の高さは約45センチ。ウェールズ近衛連隊によると、毛皮を清潔に保ち、形状を整えるために、ブラッシングやスチーム処理、シャンプー洗浄などの入念な手入れを行っているという。
適切に手入れをすれば何十年にもわたって使い続けることが可能だといい、中には製造から40年たっても使われているものもある。
政府によると、1個あたりの調達費は約2460ポンド(約50万円)。国防省が17~24年の間にクマの毛皮の帽子に支出した額は、PETAの推計で100万ポンドを超えていた。
Indonesian
English
Hindi
Thai
Vietnamese
Burmese
Spanish
Portuguese
Arabic
Russian
Chinese