フィギュアスケートのチャレンジャー・シリーズ「木下グループ杯」は6日、東京・田中貴金属アイスアリーナで最終日が行われました。女子では、シニアとしては初めての国際大会となった島田麻央選手(17)が、ショートプログラム(SP)2位から逆転し、合計231・32点で優勝しました。
演技後、島田選手は珍しく感情を出して両拳を握りました。
「楽しんで滑ることができた」
スケート靴を脱げば初々しい笑顔がはじけましたが、リンク内では異次元の滑りで観客を魅了しました。
2人前に滑ったアレクサンドラ・イグナトワ選手が、高難度の4回転ルッツを含む全てのジャンプを着氷し高得点をマークしました。それでも「何も考えず自分の演技に集中してリンクインした。それが逆に良かったかな」。はじめの2本の大技で会場の空気を自分のものにしました。
SPでやや回転不足と判定されたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を軽やかに降りると、続く4回転トーループも鮮やかに着氷しました。日本シニア女子では史上初となる二つの大技を同時成功させて、流れに乗りました。
終わってみれば合計で2022年北京冬季オリンピック(五輪)銀メダリストのイグナトワ選手に10点以上の差をつける圧勝でした。
4シーズン過ごしたジュニアでは、39戦で負けなしでした。周囲から勝つことが当たり前と見られ、自身でもプレッシャーをかけるようになりました。シニア参戦が可能な年齢制限も当初の15歳から17歳に引き上げられ、26年ミラノ・コルティナ冬季五輪シーズンは、代表争いに名を連ねることもできませんでした。それでも自身の武器を、いずれおとずれるシニアデビューに向けて磨き続けました。4回転ジャンプが決まらず、跳ばないという選択肢が頭をかすめる時期もありましたが、何度倒れても競技で挑み続けました。
今シーズンからのルール変更で、ジャンプが7本から6本となった中でも、旧ルールでハイスコアに位置づけられる150点を超えてきました。「ロシア選手が出た中で優勝。うれしさが増します」。17歳の若きエースが、4年後へ向けて最高のスタートを切りました。
女子の2位に食い込んだのは、ロシアから個人の中立選手(AIN)として出場した22歳のイグナトワ選手です=写真。イグナトワ選手の旧姓はトルソワで、2022年に中国で行われた北京冬季五輪で銀メダルを獲得した実力者です。結婚や出産を経て再びリンクに戻ってきましたが、難しい4回転ルッツを成功させるなど、合計221.06点をマークしました。3位もロシアから中立選手として出場したアンナ・フロロワ選手でした。
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