【9月12日 AFP】13日に一院制議会(349議席)の総選挙が実施される北欧スウェーデンで11日、各党の党首らが大接戦となっている選挙戦の最後の追い込みに臨んだ。総選挙は左派の野党陣営が政権を奪還するか、右派の与党陣営が勝利し、極右政党が初入閣を果たすかを決めるものとなる。
中道右派・穏健党のウルフ・クリステション首相は選挙集会の合間にAFPの取材に応じ、ドナルド・トランプ米大統領のスローガン「米国を再び偉大に(MAGA)」に言及し、新たな信任を得て総選挙に勝利し「スウェーデンを再び偉大に」したいと語った。
欧州の多くの国で右派が政権を握る中、スウェーデンでは世論調査で左派の野党陣営が右派の与党陣営を支持率で上回ってきたが、選挙戦終盤になってその差は縮小している。
クリステション政権について、年金生活者のカート・フローディンさん(79)はAFPの取材に対し、「最も重要なのは、彼らが開始した取り組みを継続するために右派が勝利することだ」と語り、同国を悩ませている組織犯罪の取り締まりに引き続き焦点を当ててほしいと期待を寄せた。
一方、20世紀に通算60年以上にわたって政権を担当した中道左派の野党・社会民主労働党は、生活費の高騰に苦しむ世帯の支援や福祉の充実を公約に掲げている。
選挙当日に54歳の誕生日を迎える劇場勤務のジェニー・ラーソンさんは、これらの問題が重要だとし、「政治家が移民のせいでないことまで移民のせいにするのに納得がいかない」と不満をこぼし、右派が勝利した場合に反移民の極右・スウェーデン民主党が入閣することを懸念していると語った。
■新内閣
スウェーデン民主党は長年、主流政党から連立や協力を排除されてきたが、2022年の前回総選挙で得票率20.5%を記録。クリステション首相率いる穏健党を抜いて第2党に躍進し、大きな衝撃を与えた。
これに対しクリステション首相は、スウェーデン民主党と前例のない政策協定を結び、閣外協力を得て少数連立政権を樹立した。
スウェーデン民主党は閣外協力の見返りとして、犯罪対策や移民政策を中心とするクリステション政権の政策に多大な影響力を行使してきた。
クリステション首相は今回さらに一歩踏み込み、勝利した場合にはスウェーデン民主党に閣僚ポストを与え、連立政権に迎えると公約している。
クリステション首相は11日、スウェーデン民主党の入閣について「そこに劇的な要素は何もない」「過去4年間、われわれが順調に協力し続けてきたことは見ての通りだ」と語った。
11日に公表された調査会社インディケーターの世論調査で、左派の野党陣営4党(社会民主労働党、緑の党、中央党、左翼党)の支持率は50.8%、クリステション首相率いる右派の与党陣営(穏健党、スウェーデン民主党、キリスト教民主党、自由党)の支持率は47.6%だった。
一方、調査会社イプソスが実施した別の世論調査では、左派の野党陣営が49.3%、右派の与党陣営が49.0%で拮抗している。
左派の野党陣営が僅差でリードしているが、各党には思想や経済政策の違いがあり、勝利したとしても連立政権樹立には複雑な交渉が必要となる。(c)AFP
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