東京ドームで熱戦が繰り広げられてきたのは第97回都市対抗野球大会です。「都市対抗」の愛称で親しまれるこの大会は、企業や団体などで働く社会人選手のために行われている最高峰の大会です。「大人の甲子園」と呼ぶ人もいます。
開幕試合となった8月26日の試合は、春日井市(愛知県)と札幌市(北海道)の対戦でした。しかし「春日井市」とか「札幌市」という野球チームにはなじみがありませんよね。都市対抗では都道府県ごとに1次予選、北海道、東海などの地区ごとに2次予選が行われ、勝ち進んだチームがその都市の代表になります。春日井市代表は前回優勝の王子、札幌市代表は北海道地区予選を制したJR北海道クラブが選ばれました。
ここで、大谷翔平選手や山本由伸選手、佐々木朗希選手らが活躍した昨年のアメリカ大リーグ・ワールドシリーズを振り返ってみましょう。大リーグの公式ホームページを見ると、ワールドシリーズの対戦カードは「LAD―TOR」となっています。LADは「ロサンゼルス・ドジャース」、TORは「トロント(・ブルージェイズ)」の略です。ロサンゼルスやトロントは都市名なので、都市対抗に似ていますね。
実は、都市対抗は大リーグを参考に創設されたのです。まだ日本にプロ野球がなかった1927年、毎日新聞の前身である東京日日新聞の記者だった橋戸信さんが、早稲田大学野球部時代のアメリカ遠征で知った大リーグを参考に、都市の代表同士が戦う大会形式を提案し、実現しました。
都市対抗のもう一つの特徴が「補強選手」です。予選で敗れたチームから選手を補強し、その都市の「最強チーム」で戦うことが認められています。ふだんはライバルに当たる補強選手は、本大会での歩みを進めていく中で、チームの絆を深めていくそうです。まさに都市対抗ですね。
大会の優勝チームには「黒獅子旗」が、最も活躍した選手には最優秀選手賞に当たる「橋戸賞」が贈られます。天国の橋戸さんも、令和の社会人野球の盛り上がりに目を細めているかもしれません。
水泳やフィギュアスケートなどを担当し、オリンピックとパラリンピックを全部で8大会取材しました。ポッドキャストというラジオのような番組で毎週、スポーツについて語っています。趣味はウオーキングと金魚を育てることです。1976年生まれ、北海道出身。
Indonesian
English
Hindi
Thai
Vietnamese
Burmese
Spanish
Portuguese
Arabic
Russian
Chinese