(CNN) 米軍がイランに対し1日に行った追加攻撃を受け、イランがヨルダン、バーレーン、クウェートを攻撃した。トランプ氏が、報復すれば「はるかに激しい攻撃を受ける」とした警告を無視した形だ。
米国とイランが先月31日未明に約1カ月ぶりに互いを攻撃したことで始まった今回の応酬により、甚大な被害をもたらす紛争が再燃する恐れが生じている。
米国による新たな攻撃が発表された後、トランプ氏は、自身が「極めて正当な攻撃」と呼ぶ今回の攻撃にイランが報復すれば、さらに激しい軍事行動に直面すると警告していた。
しかしイランは「圧倒的な」報復を宣言。米軍の施設を標的としているとして、ヨルダンに向けて弾道ミサイル、バーレーンとクウェートに向けてドローン(無人機)を発射した。
イラン保健相は2日、米国が夜間に複数の州で実施した攻撃で18人が死亡、108人が負傷したと発表した。イラン国営放送(IRIB)が伝えた。
イラン側が1日に主張したところによると、死者の中には結婚式に出席していた4人が含まれており、子ども1人も死亡した。米国の攻撃で飛び散った破片がホルムズ海峡に面する集落で結婚式を開いていた住宅に当たったためだという。
このほか、イラクと国境を接するイラン南西部フゼスタン州では、攻撃により7人が死亡した。国営イラン通信(IRNA)が地域当局者の話として伝えた。
米軍報道官はCNNへの声明で、米中央軍はイラン側の主張に関する報道を把握しているとした一方で、米国がイランの民間人を標的にしているとの主張は否定した。
米中央軍はX(旧ツイッター)で、米軍の攻撃は、イランが最近「ホルムズ海峡を航行する商船と、この地域に展開する米軍部隊」に対して攻撃を試みたことへの対応だったと説明した。
英海事貿易機関(UKMTO)などによると、米国が先月30日に攻撃を行って以降、タンカー2隻が飛翔(ひしょう)体による攻撃を受けた。
戦闘の再燃は、トランプ氏がかねて軍事作戦から軸足を移し、経済的圧力の強化に的を絞った戦略へと移行する方針を示していたにもかかわらず起きた。
トランプ氏は1日夜、イランが報復に出たあと、SNS「トゥルース・ソーシャル」に「イランを交渉の席につかせようとしているわけではない」と書き込んだ。「今のわれわれの立場の方がはるかに気に入っている。ホルムズ海峡をほぼ完全に支配し、イラン経済は完全に崩壊しつつある」
米国が新たな攻撃を発表した後、原油先物価格は1バレル94ドルを上回った。
外交面では、パキスタン外務省が2日、米イラン双方との協議を「続けている」と述べ、今回の攻撃を「仲介プロセスの失敗と呼ぶべきではない」と強調した。
戦闘は、米国とイランがホルムズ海峡を巡る対立を続ける中で再開した。
戦争が始まって以降、同海峡は世界のエネルギー供給のチョークポイント(要衝)となっているが、ここ数週間で海峡を通過する原油の量は増加している。
米国は、先月30日の攻撃開始について、イランがロケット弾を使って海峡に新たな機雷を敷設しようとしていたためだと主張した。イランはこれに対し、中東の米軍施設とする標的に攻撃を加えた。
トランプ氏は1日、米FOXニュースに対し、米国は今回の攻撃に先立ちペルシャ湾岸のアラブ諸国に事前通告していたと主張。イラン指導部を批判し、「彼らとの合意など、紙きれ同然だ」と述べた。
ベッセント米財務長官は1日、主要20カ国・地域(G20)の会合で行われたインタビューで、「2年後には、ホルムズ海峡は価値のない水域のようになる。原油は陸上のパイプラインで運ばれるようになるからだ」と述べた。湾岸のアラブ諸国が海峡を完全に迂回(うかい)するインフラを建設する計画に言及した形だ。
ベッセント氏はイラン経済を世界から切り離す財務省の新たな取り組みにより、最終的にはイラン政権を屈服させられるとも主張。自身の仕事は「イラン側が合意を望むようにすること」だと表現した。「われわれはこの政権を経済的に窒息させる」
また、イランとの関係が疑われるドバイの銀行を標的としたのに続き、今後2週間ほどでさらに2行に制裁を科す可能性が高いと警告した。
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