9月1日は、1923年に起きた関東大震災を教訓にして防災対策への理解を深める「防災の日」。7月に発生した熊本地震では、SNS(交流サイト)を通じてデマ(事実に反するうわさ)が広がりました。神奈川県横浜市のニュースパーク(日本新聞博物館)で、デマに関する新聞記事を集めた緊急展示が開かれています。【林奈緒美】
会場では、熊本地震が起きた翌日の7月29日の地元紙・熊本日日新聞の紙面を皮切りに、六つの新聞の七つの紙面を時間の流れにそって紹介しています。インターネット上で「どこで地震が起きるか予測して、的中させた」「人間が機械を使って地震を起こした」などと主張したり、遺族を装ったりする投稿が見られたことを報じています。
生成AI(人工知能)で加工したとみられる偽の画像もSNSで広がりました。毎日新聞は7月29日、被災した男性から話を聞き、倒壊した家の前に立つ写真とともに紙面とニュースサイトに掲載しました。その後、男性が笑みをうかべてピースサインをしているような姿に加工された偽の画像が、SNSに中傷コメントを付けて投稿されました。また、ショッピングセンター「イオンモール熊本」の爆発事故でも、女性が爆発に巻き込まれる動画が出回りましたが、AIで作った偽の動画とみられています。
2016年に起きた熊本地震では、「動物園からライオンが逃げた」とするデマがSNSで広がりました。投稿した人は、動物園の業務を妨害した疑いで逮捕されました。古くは関東大震災で「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマを信じた住民らが、朝鮮人を殺害した歴史があります。デマは役所や新聞の情報としても伝わりました。
ニュースパークの担当学芸員の菅長佑記さんは「だまされないためにも、どんな情報がどんな形で広まるのか知ってもらいたいです。関東大震災では新聞がデマを載せてしまいましたが、今は正しい情報を伝えて注意を呼びかける新聞の役割も知ってもらえたら」と訴えています。
神奈川県相模原市から訪れた小学校の先生、佐久間風元さん(26)は「AIの技術が進み、さらに本物の情報なのか見分けるのが難しくなってきていると思います。だまされないように気を付けたい」と話していました。
緊急展示は9月上旬まで。ニュースパークの開館時間は午前10時~午後5時、入館料一般400円、中学生以下無料。月曜休館。
■「発生前に地震の起きる場所を予測し、的中した」
■「『地震雲』が観測された」
■「熊本地震は人間が機械で起こした人為的なもの」
■遺族を装ったもの
■被災者の写真をAIで改変した画像
■イオンモール熊本の爆発に女性が巻き込まれている動画(AIで作成したとみられる)
※ニュースパークへの取材を基に作成
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