戦争のせいで孤児になり、大分市でひっそりと亡くなったとされる少女がいました。「ムッちゃん」と呼ばれた少女をテーマにしたミュージカル「しあわせ色の青い空 ~戻れない時間~」が8月27~30日、東京都新宿区で上演されます。ムッちゃんと交流する町子役は小学3年生の女の子2人が務め、戦争について自らも学びながら、子どもの純粋なやさしさを表現します。【木村健二】
作品は次のようなあらすじです。高校生の美樹は部長を務める演劇部の引退公演を楽しみにしていましたが、新型ウイルスの流行によって中止に。親友や家族との関係がぎくしゃくする中、妖精たちと出会い、戦時中の日本へ旅に出ます。
横浜(神奈川県)で大空襲にあい、家族とはぐれた12歳のムッちゃんは親戚を頼って大分に向かいました。肺結核を患ったムッちゃんが防空壕でさびしくすごしていたところ、京都から疎開していた6歳の町子と出会って仲良しになります。2人の心温まる交流の様子を見て、美樹は未来への希望を取り戻していく――というストーリーです。
町子役を演じるのは、鮎瀬みゆさん(9)と虹乃宮サラさん(8)です。作品では、肺結核に感染したムッちゃんを大人たちが冷たく遠ざけますが、町子はやさしくはげまし続けます。初めての舞台となる鮎瀬さんは「ムッちゃんを忘れずに助けようとした町子の気持ちの強さを表現したいです」と意気込みます。
虹之宮さんは昨年も町子役を務め、舞台に出演した経験を自由研究にして発表しました。昨年の台本よりもセリフが多くなっていて、「より町子の気持ちが伝わるようにがんばって、今年も自由研究にして同じクラスの子たちに見せたいです」と話します。
作品は、俳優の京町さん(66)が1980年代半ばから上演し、長女の喜音遊為(土肥亜友美)さん(29)が時代に合わせてアレンジを加えてきました。昨年の公演では、「となりの防空壕にムッちゃんがいたかもしれない」と話す人が現れました。京町さんと喜音さんは「ムッちゃんとはだれだったのか? SNS(交流サイト)などの発展により情報は集まるかと思います」として、ムッちゃんについての情報を募っています。
会場は東京都新宿区上落合のTACCS1179(俳協ホール)。公演は各日2回ずつ行われ、27日と28日が午後1時からと午後5時半から、29日と30日が午前11時から(手話通訳入り)と午後3時から。チケットは大人5000円、中学生以下3000円。問い合わせは、「7どろっぷす/夢空プロジェクト」の電子メール(yumezoraproject.7drops@gmail.com)へ。
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