【8月19日 AFP】ベトナムの首都ハノイで現職閣僚の妻を持つ元国会議員の男性が交通事故を起こし、18歳の女性を死亡させたにもかかわらず起訴を免れたことを受け、SNSで怒りの声が広がっている。当局は国営テレビの特別番組を通じて火消しを図ったが、火に油を注ぐ形となっている。
元国会議員のグエン・シー・クオン氏は2025年5月30日、ハノイ市内の通りで車を運転中に10代の女性とその父親をはね、街路樹に衝突した。女性は死亡し、父親は負傷した。
事故当時はほとんど報じられなかったが、最近になってSNSに事故や犠牲となった女性に関する投稿が急増した。多くのSNSユーザーは、元議員が飲酒運転だったのではないかと疑っている。
ハノイ中心部グエン・フイ・トゥー通りの事故現場に手向けられた花は即座に撤去され、関連投稿が削除されたことで、批判の声が高まっていた。
さらなる追悼行為を防ぐため、現場には警備員が配置された。
ベトナムの共産党当局は通常、異論を迅速に封じ込め、反動分子、特にSNSで支持を集める人物を拘束する。
国営ベトナム・テレビ(VTV)は17日夜、異例の特別番組を放映。警察は事故が事実で女性が死亡したこと、そして加害者がクオン氏であることを認めた。クオン氏の妻は、現職閣僚のラム・ティ・フォン・タイン文化・スポーツ・観光相。
文化・スポーツ・観光省が言葉遣いの悪さを理由にベトナムの歌手MCKの楽曲10曲以上を禁止したことを受け、この事故に関するSNS上の投稿が瞬く間に拡散した。
VTVの番組によると、クオン氏は起訴されなかったのは、被害者遺族が処罰を望まなかったためだという。
番組には顔にぼかしが入った状態で女性の父親ド・ビエット・フンさんが出演し、「捜査機関の事故への対応について、わが家には何の不満も疑問もない」「何よりもベトナム国民として、私たちは愛国心を大切にし、反動分子に惑わされてはならない」と述べ、ベトナム国民に対しこの件をこれ以上追及しないよう呼び掛けた。
公安省の報道官は、反動主義者や悪質な行為者、テロリストなどの敵対勢力による「不安をあおり騒乱を引き起こす非常に危険な企て」を検出したと主張している。
■「金で示談にすればおとがめなし」
だが、ベトナム人の若者に人気のある交流サイト(SNS)「スレッズ」などでは、クオン氏を不処罰とした当局への批判が殺到している。
捜査当局は、クオン氏が「反対車線を逆走」したことが事故の原因だと結論づけたが、同氏からアルコールは検出されず、有効な運転免許を所持していたとして「刑事訴追免除の基準を満たした」と説明している。
VTVの特別番組放映後、ネットでは新たな反発の声が上がった。
あるユーザーは、「つまり今後は、免許があり酒を飲んでさえいなければ、車を運転して無謀なスピードを出し、反対車線を逆走し、赤信号を無視して人をひき殺しても、金で示談にすればおとがめなしということか?」と疑問を投げかけた。
別のユーザーは、元国会議員であるクオン氏と現職閣僚であるその妻が国営テレビに出演し、「事実をはっきりさせるべきだ」と述べた。(c)AFP
Indonesian
English
Hindi
Thai
Vietnamese
Burmese
Spanish
Portuguese
Arabic
Russian
Chinese