(CNN) サッカーのワールドカップ(W杯)では必ずしも最も優れたチームが優勝するとは限らないが、今夏の北中米大会に関してはまさしくそれが実現したようだ。
大会初戦のカボベルデ戦はもどかしいスコアレスドローに終わったものの、スペインは大会を通じて調子を上げ、最終的に優勝トロフィーを掲げるにふさわしい戦いぶりを見せつけた。
アルゼンチンと対戦した19日の決勝はそこまで見応えのある試合にこそならなかったが、実質的に勝者となるチームはほぼ最初から決まっていたようなものだった。
試合開始直後から、スペインは長年にわたって成功を収めてきたゲームプランを貫く。ボールを支配し、執拗(しつよう)に食らいつくアルゼンチンの選手たちから激しいプレッシャーを受けながらも、驚くほどの自信を持ってパスを回し続けた。
荒れた展開となった前半はそれほど多くの決定機を作れなかったものの、スペインは相手の足を徐々に消耗させ、終盤の決勝点につながる土台を築いていた。
W杯の歴史に残る試みとなったハーフタイムショーの後、ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)は勢いよく後半に臨んだ。アルゼンチンを自陣に押し込み、そこからほとんど攻め込ませなかった。
試合前の話題は両チームのエース、アルゼンチンのリオネル・メッシとスペインのラミン・ヤマルに集中していたが、実際のところ、どちらもそれほど印象的なプレーを見せるには至らなかった。
メッシは終始存在感が薄く、スペインの素早い動きについていくのに苦しんでいた。ボールを受けてもそのたびに素早く囲まれ、前線へパスを出せる味方もほとんどいなかった。
スペインは後半、ニコ・ウィリアムズがこぼれ球を強烈に蹴り込んで一度はネットを揺らしたが、主審はその前のプレーでニコラス・オタメンディに対するファウルがあったとして得点を認めなかった。ファウル自体は非常に軽微なものだったため、今大会でアルゼンチンが審判から多少の手心を加えられているという根拠のない言説を助長する判定になったことは間違いない。
その後、多くの人が予想した通りの瞬間が訪れた。アルゼンチンのエンソ・フェルナンデスはノックアウトステージの試合を通して際どいプレーを続けていたが、その攻撃性が最も重要な場面で一線を越える。相手DFを空中で投げ飛ばすようなプレーで2枚目のイエローカードを受け、90分終了間際に退場となった。
主審にほかの選択肢はなく、アルゼンチンは10人で延長戦に臨むことになった。
その時点でアルゼンチンのGKエミリアーノ・マルティネスは数多くのシュートを止め続けていたが、いずれ均衡が破れるのは時間の問題と思えた。そして迎えた延長後半16分(106分)、その立役者となったのはスペインのフェラン・トーレスだった。
トーレスはウィリアムズがクロスを頭で落としたところにフリーで走り込み、強烈なシュートをゴールネットに突き刺した。世界中のスペインサポーターが歓喜に沸き返った。
先制を許したことで、アルゼンチンはようやく攻勢に転じ、メッシが試合を組み立て始めた。実際、試合終了間際には同点に追いつくチャンスもあったが、今回は奇跡の大逆転劇は起こらなかった。
試合はこのまま終了し、スペインは2010年以来となる2度目のW杯優勝を果たした。一方のアルゼンチンも大会を通して粘り強く戦い抜いたが、タイトル防衛にはあと一歩及ばなかった。
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