【6月28日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は27日、次の総選挙後にこれまで以上に幅広い連立政権を樹立する意向を表明し、極右および左派の双方から明確に距離を置く姿勢を示した。
複数期にわたり同国史上最長の在任期間を誇るネタニヤフ首相は、遅くとも10月27日までに行われる次期総選挙に出馬する意向をすでに表明している。
ネタニヤフ氏はテレビ放映された記者会見で、「私は幅広い挙国一致政府を樹立するつもりだ。右派政府でもなければ、アラブ系政党に依存する左派政府でもない挙国一致政府だ」と述べ、自身の政治戦略の大幅な転換を示唆した。
さらに、「なぜなら、そうして初めて国内の合意形成に至ることができると考えるからだ。(この方針が意味するのは)まず第一に、排斥の終結だ。私は誰も排斥しない。基本原則、すなわち『イスラエルはユダヤ人の民族国家であり、われわれは個人の権利を尊重する』という点に同意しさえすれば、誰もが参加できる」と付け加えた。
イスラエル史上最も右寄りとされる連立政権を現在率いているネタニヤフ氏だが、今回の発言の背景には、近年の世論調査で自身の支持率が低迷しているという現状がある。これまでのイデオロギー重視の路線から、与野党の垣根を越えた「国民の団結」へと選挙公約の枠組みを作り変えることで、支持の挽回を狙っているとみられる。直近の世論調査では、イスラエル国民の過半数が同氏の退陣を求めていることが示されている。
■低迷する支持率と「徴兵問題」
世論が批判の矛先を向けているのは、イスラエルと米国が2月末に開始した対イラン作戦だ。イスラエルはその停戦交渉に参加することができず、結果としてテヘラン(イラン)とワシントン(米国)の間で結ばれた合意は、多くのイスラエル国民から「自国に不利な内容」と受け止められている。
エルサレム・ヘブライ大学による最近の世論調査では、イスラエル人の92%以上が「イランが勝利した」と考えており、ネタニヤフ氏の支持率は3月初旬の40.5%から、6月には29.4%へと急落した。また、2023年10月7日の奇襲攻撃を許した治安・防衛上の失策に対する国民の怒りも根強く、同氏の立場を圧迫し続けている。
さらに、超正統派ユダヤ教徒の男性を兵役対象に含めるべきかどうかをめぐる激しい議論と対立によっても、ネタニヤフ連立政権は大きく揺らいでいる。政権を支える主要な同盟勢力(宗教政党)は、支持母体の徴兵免除が認められなければ政権を崩壊させると繰り返し脅迫する一方、長年の戦争で軍が疲弊していることから、イスラエル軍や一般国民の多くは、広範な徴兵制度の適用が不可欠だと主張している。
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