【6月28日 AFP】5月にゴムボートに乗って韓国へ逃れた、中国の反体制派活動家の董光平氏(68)がカナダに入国したことが分かった。本人が27日、米紙ニューヨーク・タイムズに明らかにした。
元警察官の董氏は、政治改革および人権の擁護活動を訴えて中国政府の目の上のこぶとなってきた人物で、これまでに何度も服役している。
中国共産党を長年にわたり批判する中、中国からの脱出に何度も失敗した末、まずは韓国にたどり着いた。韓国当局には一時拘束されたものの、その後出国を認められたという。
26日にカナダ・トロントに到着した董氏は、「とても幸せだ」と語り、「今ここに座っていると、まるでわが家に帰ってきたかのような気分だ」と心境を明かした。
董氏は中国・威海市から韓国まで、9.9馬力のエンジンを載せた約3メートルのゴムボートを使って黄海を渡った旅路をニューヨーク・タイムズに語った。
当初は日本に向かう予定だったが、すぐに方向感覚を失い、「海と空が一面真っ白で、どちらがどちらの方角なのか分からなくなった」と振り返った。
携帯電話の充電が切れ、ボートのエンジンも故障し始めたため、進路を韓国へと変更。最終的には韓国の漁師に救助されたという。
同氏がどのようにして釈放されたのか、その詳しい経緯はすぐには明らかになっていない。
董氏は1989年6月の天安門事件の弾圧から10年後、請願書に署名したことで警察官の職を解かれた。
国連の専門家らによると、董氏はその後、2001年から「国家政権転覆煽動罪」で約3年間服役し、2014年に天安門関連の活動をめぐって再び拘束された。
董氏は家族と共にタイに脱出し、家族は後に難民としてカナダに再定住した。だが、タイ当局は、董氏が国連に認められた難民としての地位を持っていたにもかかわらず、2015年に董氏の身柄を中国警察に引き渡した。
董氏は2019年に刑期を終えて出所した。だが、2022年の国連報告書によると、警察による絶え間ない監視や嫌がらせ、住居・仕事・経済的資源へのアクセスを断たれ、家族と再会するために再び中国を脱出することを決意したという。
董氏はこれまでも中国からの脱出を数回試みたが、いずれも失敗していた。2019年には台湾の金門諸島まで泳いで渡ろうとしたが、危うく溺死しかけた。2020年にはベトナムに脱出したが、ベトナム警察に拘束された。(c)AFP
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