スペースX上場のニュースでも話題の「宇宙ビジネス」について。いま世界が注目しているのが「日本の人工衛星」です。政府も投資を進めています。
■90分に1回→5~10分に1回へ 日本が持つ「超小型の観測衛星」の技術
出水麻衣キャスター:
陸・海・空、サイバーと並んで、宇宙空間での防衛というのも非常に重要になってきています。宇宙空間で展開するビジネスに夢が広がりますが、課題もあるようです。
TBS報道局 経済部 室谷陽太記者:
日本では、ロケットの打ち上げが課題になっています。
ロケットに乗せて、宇宙に運ぶ作業が必要になるため、ロケットの打ち上げも重要になります。さらに、打ち上げを日本国内で完結できることが重要なため、今回、宇宙の分野も政府が重要分野に指定しました。
政府の成長戦略の1つとなっていて、投資額は2040年度までに14.3兆円を想定しているということです。官民一体で宇宙産業を育成するとしています。
出水キャスター:
そもそも、衛星はどういったものなのでしょうか。
▼観測衛星
台風情報などでよく耳にする「ひまわり」などの衛星は、観測衛星に当たります。
▼通信衛星
人工衛星を介したテレビ放送やWi-Fiなどは、通信衛星から送られているものもあります。
▼測位衛星
GPSなど位置情報を発信するものは、測位衛星が活用されているということです。
特に通信や測位に関しては、すでに海外の政府や企業が巨大なインフラとして宇宙空間に展開させています。
日本が世界で競争力を持っているのが、観測衛星です。
日本は、超小型の観測衛星の技術を持っています。電波を利用するので、雨や夜でも観測できます。
観測衛星の大きさですが、通常は大型トラックぐらいですが、洗濯機や冷蔵庫ぐらいのサイズまで小型化できているということです。
この小型化する技術は、世界で5社だけが持っているのですが、そのうち2社が日本だということです。
お笑い芸人 令和ロマン 松井ケムリさん:
小型になると、どういったメリットがあるのでしょうか。
TBS報道局 経済部 室谷陽太記者:
小型化により、製造コストや打ち上げコストを大幅に削減できるというメリットがあります。
■アメリカは年に約200回も打ち上げ 日本は“3〜4回”のワケ
TBS報道局 経済部 室谷陽太記者:
Synspectiveという会社では、現在5機の衛星を宇宙に展開していて、さらに毎月1機のペースで衛星を打ち上げているそうです。今後は「30〜40機に増やしていきたい」ということです。
出水キャスター:
すでに5機運用されているということですが、さらに打ち上げる必要はあるんでしょうか。
TBS報道局 経済部 室谷陽太記者:
衛星は地球を一周するのに90分ぐらいかかります。
例えば、東京を観測しようとすると、90分に1回しか観測できないということになります。超小型衛星をたくさん打ち上げると、高頻度に同じ場所を観測できるようになります。
これまで、90分に1回だったものが5分〜10分に1回観測できるようになり、ほぼリアルタイムに情報・状況が観測できるようになるということです。
出水キャスター:
日本で打ち上げもできるようになれば、ビジネスや防衛なども広がっていきそうですね。
お笑い芸人 令和ロマン 松井ケムリさん:
日本で打ち上げることができないのは、どういうことなのでしょうか。
TBS報道局 経済部 室谷陽太記者:
ロケットの打ち上げ回数が日本はかなり少なく、アメリカは2025年に約200回も打ち上げていますが、日本は年間3〜4回でトライ数が少ないというのが1つの理由です。
ロケットビジネスは、多額の費用がかかるので、国による支援が必要になっているというのが実情です。
井上貴博キャスター:
資金力や規模では、中国やアメリカに太刀打ちできませんが、衛星や宇宙ゴミの除去などでは世界をリードすると言われています。いかに日本の土俵で戦うかということだと思います。
TBS報道局 経済部 室谷陽太記者:
世界で5社だけの技術のうち2社が日本だという強みに、政府も注目しています。
■防災でも農業でもリアルタイムに把握 日本が“世界にデータを売る”ビジネスも?
出水キャスター:
この超小型衛星には何ができるのでしょうか。
例えば、全国の地盤変動をいち早くチェックするなど▼インフラ設備にも活用できます。さらに、今後、期待されているのは▼農業で、作物の生育状況の把握などへの活用が期待されています。
土砂崩れや災害のリスクを事前に検知することもできるようになるということで、▼防災でも期待されています。
リアルタイムに把握すると様々な事ができそうですね。
TBS報道局 経済部 室谷陽太記者:
日本でもインフラの老朽化が非常に問題になっています。
2025年1月、埼玉・八潮市の道路陥没事故がありましたが、こうした技術を活用すると、そういった事故の予測もできるのではという話もあります。
災害時にリアルタイムの観測が可能になると、地震によって引き起こされる土砂崩れなどの地盤の状況もリアルタイムで観測できるようになるということです。
上空に常にドローンが飛んでいる状態をイメージしてもらえれば分かりやすいと思いますが、そういう状況が可能になるのでは、という期待があります。
出水キャスター:
今後、ビジネスチャンスとしてはどんなところがありますか。
TBS報道局 経済部 室谷陽太記者:
衛星は地球をずっと回っているので、日本だけではなく世界各国の状況が入ってきます。
そこで“データを世界に売る”というビジネスが成り立ち、宇宙ビジネスでも日本は儲かるのでは、と期待されています。
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<プロフィール>
室谷陽太
TBS報道局経済部 総務省・IT通信担当
中国のロケット打ち上げの現地を取材
お笑い芸人 令和ロマン 松井ケムリさん
1993年生まれ 慶應義塾大学法学部卒業
M-1グランプリ2023・2024 史上初の連覇達成
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