(CNN) ボリビアのパス大統領は20日、生活費高騰や経済的負担に抗議する大規模な反政府デモが政治危機へ発展したことを受け、非常事態を宣言した。
労働組合や農民の支持を受けたデモ隊は、パス氏の辞任を要求。道路封鎖により国内の一部地域で食料や燃料、医療物資が不足し、50日間にわたって経済がまひする事態となっている。
パス氏は国民向けの演説で「国内の道路を解放するため、非常事態導入を手配した」「ボリビア国民が封鎖の人質となる状況を続けてはならない。封鎖は仕事や勉強、医療の受診を妨害し、物資を確保したり生活の糧を家庭に持ち帰ったりする妨げとなっている」と述べた。
パス氏によると、今回の措置で軍や警察が秩序を回復する道が開けるという。
パス氏は非常事態について、ボリビアに正常な状態を「取り戻す」狙いがあると説明。「組織集団が暴力で国をまひさせ続けている」と指摘した。
パス氏は先月、軍に国内の衝突への介入を認める法律に署名した。ただし以前には、非常事態宣言は対話が失敗した場合の最後の選択肢だとの認識も示していた。
パス氏は20日の演説で「我々はあらゆる対話を尽くし、正当な要求を持つ人たちと合意を結び、暴力でボリビアの安定を揺るがそうと試みた者をはっきり特定した上で、国内全土に非常事態を導入する決定を下した」と述べた。
中道派のパス氏が大統領に就任したのは7カ月前。20年近く続いた左派政権が終焉(しゅうえん)する要因となった1世代で最悪の経済危機を引き継いだ。2006年以来ほぼ途切れることなく「社会主義運動党(MAS)」が政権を握ってきたボリビアにとって、パス氏の当選は歴史的な転換点となった。
パス氏は09年から緊張状態にある米国との外交関係の強化を図っており、9月には燃料供給を確保するため、米当局との間で15億ドル(現在のレートで約2400億円)規模の経済協力合意を結ぶ計画を発表した。
現在の政情不安は今年5月、パス氏が財政赤字縮小を目的に長年の燃料補助金を削減したことを受けて勃発した。危機的状況にあるボリビア経済は外貨が不足しており、かつて豊富だった天然ガスの輸出も急減。インフレ率は40年ぶりの高水準に達し、燃料不足にも見舞われている。
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