【6月20日 AFP】マレーシアの保護者や教育団体は19日、新たに施行されたいじめ対策法といじめを専門に扱う審判所の開設を歓迎した。一方で、子のいじめ加害に対する責任を保護者に負わせる可能性のある条項については、慎重な運用を求めている。
いじめ対策法は16日に施行された。
マレーシアでは2025年、児童・生徒約3000人がいじめによる被害を受けたと認定された。
マレーシアの教育のための保護者行動グループのダティン・ノール・アジマ・アブドゥル・ラヒム氏は、「この法律を歓迎する。子どもたちの幸福を中心に据え、いじめが感情的、心理的、教育的に深刻な結果をもたらすことを認識しているからだ」と述べた。
オランダを拠点とする国際教育到達度評価学会(IEA)による2023年の中学2年生を比較した調査で、マレーシアはいじめ発生率が世界でもワーストクラスであることが分かった。
調査会社イプソスが昨年マレーシアで400人を対象に実施した調査では、65%に当たる約260人が学校でいじめられたことがあると回答した。
マレーシア政府は、新法の施行に伴い、いじめを専門に扱う「いじめ対策審判所」を設立した。同審判所は58人の専門家で構成され、学校レベルでは対応が困難ないじめ事案を取り扱う。
いじめ対策法の主要な条項の一つには、審判所によっていじめの加害者と認定された児童・生徒の保護者も、子のいじめ加害に対する責任を問われる可能性があり、裁判所に送致されたり罰金を科されたりすることもあるとしている。
ノール氏はAFPに対し、「法的責任の追及については慎重にアプローチすべきだ」と主張。
「特に複雑な社会環境やデジタル環境においては、すべての保護者が子どもの行動を完全にコントロールできるわけではない」と語った。
昨年発生したいじめ事件の一つは、東部サバ州にある宗教系寄宿学校の寮の3階から13歳の女子生徒が転落して死亡したケースだ。
女子生徒の死亡はいじめやセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)が原因とされ、この事件は国内で激しい怒りを巻き起こした。
その後、10代の生徒5人がいじめの容疑で起訴された。
労働組合員のフォウジ・シンゴン氏は、「いじめ加害者が自分たちの行為によってこれまで以上に厳しく処罰される可能性があると知ることで、(いじめ対策法と審判所が)抑止力として機能することを期待している」と述べた。(c)AFP
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