【6月17日 AFP】米実業家イーロン・マスク氏が率いる人工知能(AI)新興企業xAIの対話型生成AI「Grok(グロック)」が、対イラン攻撃に使用されていたことが分かった。AFPが16日に入手した裁判向け準備書面で、米政府が明らかにした。
15日付の準備書面は、xAIが運営する巨大データセンターの電力をめぐる環境訴訟に向けて、政府が会社側を擁護するために提出したもの。
米司法省はこの書面の中で、今回の環境訴訟について「国防総省の軍事作戦を支えるAIイノベーションへの電力供給を停止させようとするものであり、米国の国家安全保障、経済安全保障、そしてエネルギー安全保障を脅かすものだ」と主張した。
この主張を裏付けるため、連邦検察官は国防総省のAI責任者であるキャメロン・スタンレー氏の証言を提示した。スタンレー氏は宣誓供述の中で、米軍のAI支援型標的捕捉プログラム「プロジェクト・メイヴン(Project Maven)」において、すでにGrokが導入されていると明言した。同プログラムは当初、アンソロピック社のAIモデル「Claude(クロード)」を採用していた。
スタンレー氏の供述によると、同プロジェクトの「メイヴン・スマート・システム(MSS)」により、米軍は軍事作戦「エピック・フューリー」中、96時間で2000以上の異なる標的に対して、2000発以上の砲爆弾による攻撃を行うことが可能になったという。
米政府は2月末、アンソロピック社との契約を解除していた。同社が、完全自動化された攻撃や米国人への大量監視に自社のAIツールが使用されることを拒否したためだ。これを受けて国防総省は、AI開発を継続するため、グーグルやオープンAI、xAIといったアンソロピック社の競合他社に白羽の矢を立てていた。
なお、今回の裁判では、黒人の権利擁護団体「全米黒人地位向上協会(NAACP)」がxAIを提訴。同社が「大気浄化法」に違反し、許可なく数十基のガスタービンを稼働させて地域を汚染していると非難している。xAI側はタービンは一時的なもので規制対象外だと主張している。(c)AFP
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