(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記は3日、兵器級核物質を生産する新しい工場を視察し、政府の計画として「わが国家の核戦力を指数関数的な速度で強化する」と述べた。国営メディアが報じた。
朝鮮中央通信(KCNA)の報道によると、金氏は自国の兵器級核物質の生産能力が過去5年間で2倍以上に増加したと述べ、この新工場が核戦争抑止力の強化に役立つと語った。
金氏は米国との非核化交渉が失敗に終わった後、5カ年計画の下で核兵器増強を推進した。これらの交渉にはトランプ米大統領の1期目に行われた3度の会談も含まれる。
米国は現在、イスラエルと共に行っているイランとの戦争の終結に向けた合意を目指している。イラン政府に対しては、合意の条件として核兵器へ転用可能な核物質の放棄を求めている。
北朝鮮はすでに最大90発分の核弾頭に相当する核物質を保有しており、実際に約50発を組み立てたとみられている。これは3月の米議会調査局(CRS)の報告による。
国際原子力機関(IAEA)は3月、北朝鮮では少なくとも2カ所の核濃縮施設が稼働中だと報告した。一つは寧辺(ヨンビョン)、もう一つは降仙(カンソン)にあるという。
同機関は寧辺での新しい建物の建設を監視していると説明。当該の建物は「その規模並びに電力供給や冷却能力を含むインフラが降仙の濃縮施設と類似している」と述べた。
4月には米下院軍事委員会で、国防情報局(DIA)長官のジェームズ・アダムズ中将が北朝鮮政府について、「寧辺において追加のウラン濃縮施設と思われる施設を建設している」と証言した。
3日に金氏が視察した施設が、その新しい寧辺施設なのか、あるいはこれまで知られていない別の施設なのかは確認できなかった。KCNAの報道では施設の所在地は明らかにされていない。
国営メディアが、金氏によるウラン濃縮施設または核物質生産施設の視察写真を公開したのは、2024年9月以降で少なくとも3回目。
ソウルの韓国統一研究院のホン・ミン上級研究員はCNNに対し、この新施設は北朝鮮の核開発計画の成熟と規模拡大を示していると語った。
今回の報道からは「重心が『研究・生産』から『大量生産・兵器化』へ移行したという印象を受ける」とホン氏。これは軍需産業の幹部や核兵器研究所の関係者が金氏に同行していたためだという。
加えて制御室、処理配管、モジュール区域を写したさまざまな写真を公開したことで、北朝鮮は「完成し稼働している工場という側面を意図的に強調している」とホン氏は指摘した。
金氏は3日、同国の核科学者たちが5カ年計画の目標を達成したことを称賛。自国の核能力は「想像を絶する」ものだと述べた。
一方で北朝鮮にみられる核兵器保有量の増加は世界的な傾向だと、「核兵器禁止監視報告書(NWBM)」の26年版は指摘する。
NWBMによれば、「世界の核保有国9カ国の軍隊が使用可能な核弾頭の数は9745発に増加した。その総爆発威力は広島型原爆13万5000発以上に相当する」。
配備可能な核兵器の数が増加したのは25年で9年連続だという。核兵器保有数が最も多いのはロシアで5400発超、次いで米国が約5300発となっている。
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