モスクワ(CNN) 長年にわたり、第2次世界大戦でのソ連による対独戦勝利を記念するパレードは、ロシアの軍事力と国力を象徴するイベントであり続けている。そこでは軍の重装備品がこれ見よがしに披露され、多数の要人がこぞって出席する。
しかし今年は様相が大きく異なる。ロシア国防省によると、プーチン大統領はモスクワの赤の広場で開催されるパレードの規模を縮小。「現在の作戦状況」を理由に軍事装備の展示は行わない見通しだ。外国首脳の参加も例年より少なく、ほとんどの国際メディアはロシア国営メディアの映像に頼らざるを得ない状況となっている。
クレムリン(ロシア大統領府)による安全保障上の懸念の高まりを示すように、国際ジャーナリストの多くは、このパレードへの参加を禁じられている。
「プーチン氏は自身が主導権を握っているように見せたがる。加えてロシアという国家も強大に見えることを望んでいる。今回の行動はそうした意図とは真逆で、普段なら本人が送りたがらないようなメッセージを発信している」。キングス・カレッジ・ロンドンでロシア政治学の教授を務めるサム・グリーン氏はそう分析し、今回の行動はロシアの指導者としては「らしくない」と指摘した。
クレムリンは今年のパレードに関して、従来の戦力の誇示よりも安全保障を優先しているようだ。パレードはウクライナ軍によるロシア領内、特に石油精製施設への攻撃が激化する中で行われる。死傷者こそ出なかったものの、4日にはモスクワ中心部西側の高級住宅街にある高層マンションがドローン(無人機)による攻撃を受けた。この事態を受けて、警備体制は強化された。
パレード前日の8日、トランプ米大統領はロシアとウクライナが9日から11日までの3日間の停戦に合意したと発表した。停戦には戦闘停止と大規模な捕虜交換が含まれる。この知らせはクレムリンとウクライナのゼレンスキー大統領の双方によって確認された。ゼレンスキー氏は、捕虜交換は「1000人対1000人の形式」になると明らかにした。
とはいえ、安全対策は依然として最優先事項となるだろう。モスクワの街路を彩るロシア国旗の赤、白、青の伝統的な装飾や、ロシア軍の象徴である黒とオレンジの聖ゲオルギーリボンが商店のショーウィンドウに数多く見られる一方で、モスクワ周辺には対空ミサイルシステムが配備されているのが確認できる。
クレムリンのペスコフ報道官は8日、外国人記者の資格が取り消されたとの報道を否定し、今年のパレードは規模が縮小されたため参加できる記者の数が制限されたと説明。「資格を剥奪(はくだつ)された記者は一人もいない」と付け加えた。
しかしCNNを含む複数の国際ジャーナリストは、パレードへの取材許可を得ていたにもかかわらず、7日にクレムリンから許可の取り消しを告げられた。CNNに対して伝えられたのは、今年の式典には「主催放送局」が出席するとの内容のみだった。
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