5日はこどもの日。子どもの学びと文化を育む場を提供し続けてきた毎日小学生新聞(毎小)が今年12月、創刊90周年を迎える。1936年に誕生し、現存する子ども向けの日刊紙としては最も長い歴史を持つ。【真田祐里】
36年12月22日、毎小の前身となる「大毎小学生新聞」が大阪で創刊した。このころ日本は中国への侵略を進め、東北部に植民地「満州国」をつくっていた。その満州国へ大阪毎日新聞社(現・毎日新聞社)の部長が出張した時、日本語の新聞「満洲日日新聞」が小学生新聞を発行していることを知る。それをきっかけに大阪毎日新聞社が、日本でも小学生向けの新聞を発行することになった。
創刊号の1面には、次のように書かれている。「この小さい新聞は今、どうしたら皆さんのよき友達、ためになる先生、そして皆さんの新聞としてのつとめが果たせるかと、そればかりで一ぱいに張りきっています。いつまでも友だちになって下さい」
しばらく大阪で「大毎小学生新聞」、東京で「東日小学生新聞」と2通りの題字で発行を続けていた。
毎小の始まりは、日本が戦争へと歩みを進めていた1930~40年代と重なる。戦争が激しくなると、毎小にも影響が及び、紙面のニュースや読みもの、漫画も戦争を扱ったものばかりになった。
41年1月から、戦時下の少年少女を意味する言葉「少国民」を用いた「少国民新聞」と名前を変えた。45年4月には、国の政策にしたがって休刊。終戦直後の同年11月に復刊し、47年4月からは、「毎日小学生新聞」と名前を変え、現在も続いている。
戦中への反省を踏まえ、民主主義が形づくられていく戦後社会で、毎小もまたその歩みを共にしてきた。
子どもたちの文化を育む場として、多くの漫画家を輩出してきた。
手塚治虫さんや藤子不二雄さん、園山俊二さんといった漫画界の巨匠も毎小でデビューした。手塚さんは大阪帝国大学(現・大阪大学)の医学専門部に在学中だった46年に「マアチャンの日記帳」でデビュー。後に「藤子不二雄」として活躍する藤子・F・不二雄(藤本弘さん)と、藤子不二雄Ⓐ(安孫子素雄さん)は、高校3年生だった51年に「天使の玉ちゃん」でデビューした。
園山さんは、早稲田大学在学中の58年から「がんばれゴンベ」を連載。92年までの35年間に9775回という、子ども向け漫画としては記録的な連載になった。「宇宙戦艦ヤマト」などで知られる松本零士さんや、「ルパン三世」のモンキー・パンチさんも毎小で活躍した。
毎小では、子どもにも分かるように日々の最新ニュースを解説しているほか、オリジナルコンテンツが盛りだくさん。
毎週水曜、見開きのページで展開している「ニュース 知りたいんジャー」、時事問題に興味津々の戦隊5人組が、注目のニュースを調べて真相に迫る。アメリカとイスラエル、イランの間で高まる緊張や衆院選の仕組みなど最新のニュースのほか、クリスマスや桜など季節の話題などにも迫っている。
どうして人間は「冬みん」ができないの? うんちはなぜ茶色なの? 「疑問氷解」(第2~5月曜掲載)は読者の投稿がベース。大人が当たり前と思って気にも留めていなかったような子どもの素朴な疑問に、記者が調べて答える。
いずれも子どもだけでなく、「親子で読んで楽しい」「分かりやすい」と大人からも好評だ。
読者との距離が近いのも毎小の特徴だ。読者から紙面作りに参加する「毎小特派員」を随時募集している。対象は小学1年生から中学3年生で、体験リポートを掲載する「走れ!毎小特派員」や限定企画にも参加できる。あこがれの人にインタビューする「あの人に会った」は、過去には日本を代表する詩人の谷川俊太郎さん、最年少20歳10カ月で将棋・名人を獲得したばかりの藤井聡太さん、大リーグに挑戦する前のプロ野球選手、大谷翔平さんなどを取材。5月末にミラノ・コルティナ冬季オリンピックで三つのメダルを獲得したスピードスケートの高木美帆さんへのインタビューを予定しており、取材する特派員を募集中だ。
各界の著名人による連載も充実している。日曜1面「みんなの目」はフリージャーナリストの池上彰さんやサイエンス作家・竹内薫さん、「国境なき医師団」看護師の白川優子さん、全国社会福祉協議会会長の村木厚子さんらのコラムを連載。作家の辻村深月さんのエッセー「『あなたの言葉』を」は、4月に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で題材に取り上げられた。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授の的川泰宣さんは、2008年に連載「的川博士の銀河教室」(土曜)を開始。タイトルは親交のあった漫画家の松本零士さんの代表作「銀河鉄道999(スリーナイン)」に由来し、カットも松本さんによるもので、891回を数える。999回を目指し、毎週宇宙の話題を届けている。
詰め将棋「毎小将棋道場」(土曜)は加藤一二三さんや羽生善治九段といった歴代の一流棋士が出題。現在は実力人気共に隙のない豊島将之九段が担当している。
毎小では創刊90周年を記念し、歴史を振り返る連載のほか、紙面スタンプラリーなど読者が参加できる企画を計画しています。これまでの紙面は、読者の子どもたちと一緒に作ってきたと言えます。90周年の今年も共にワクワクする紙面を作っていきたい――。創刊号のことば「いつまでも友だちになって下さい」をこれからも体現できるよう、編集部一丸となって取り組んでいきます。
毎日小学生新聞は宅配版とデジタル版の2種類あります。すべての漢字にふりがなが付いており、低学年から読むことができます。毎日届く宅配版は1カ月1750円、紙面ビューアーで読むデジタル版は同1610円。離れて暮らすお孫さんや大切な方には「毎小ギフト購読」というサービスもあります。 購読案内はこちらから>>> 宅配版は8日まで新学年スタートキャンペーン中で、申し込みの方にもれなくスクラップノート「毎小ニュース日記」をプレゼント中です。
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