(CNN) 米格安航空会社(LCC)のスピリット航空は2日、事業閉鎖に着手し、全便を欠航にするとともに、カスタマーサービスを閉鎖した。同社の破産手続きに関する専用ウェブサイトに声明が掲載された。
短い声明では「大変遺憾ながら、スピリット航空は2026年5月2日、事業の秩序立った段階的縮小を始めた。この措置は即時発効する」とコメント。顧客に対して「全便が欠航となり、カスタマーサービスはもう利用できない」と説明した。
スピリット航空便を利用するため空港に来た乗客に対しては、「サービスを提供できない」と伝え、「他の航空会社での再予約を検討する」よう助言した。
短い声明は米東部時間午前2時までに発表された。「当社の超低コストモデルが34年にわたって業界に与えてきた影響を誇りに思う。今後とも顧客にサービスを提供し続けられることを願っていた」との言葉で結ばれている。
スピリット航空はジェット燃料価格の高騰で、2度目の破産から脱却する計画が頓挫した。主要債権者にも受け入れ可能な救済策についてトランプ政権と土壇場で合意に至ることを目指していたが、この取り組みは1日、失敗に終わった。
今回の決定により、スピリット航空の航空券を持つ数百万人は急きょ、他の移動手段の手配を迫られることになる。1万7000人の従業員は失業する。スピリット航空の便が消滅することで、米国の航空業界全体で運賃の上昇が起きる可能性も高い。
スピリット航空の弁護士は先週、破産裁判所に対し、救済策を巡り政権と「非常に進んだ段階の協議」を行っていると明らかにしていた。
しかし、交渉内容に詳しい情報筋によると、主要債権者のグループから計画への同意を得られなかった。救済策は政府にスプリット航空の株式の圧倒的多数を付与する内容と報じられており、債権者は難色を示した。
これに先立ちトランプ大統領は1日、救済措置や政府による買収の可能性さえ支持していた以前の姿勢を後退させ、「検討はしているが、もし我々が良い取引をまとめられなければ、どの機関も無理だ」「雇用を守りたいが、今日のどこかで発表を行う。我々は最終案を提示した」と述べていた。
航空会社は例外なく、ジェット燃料費の高騰に苦しんでいる。イランでの戦争が始まって以来、燃料価格はほぼ倍増。航空会社にとって、ジェット燃料は人件費に次いで2番目に大きなコストとなっている。
埋め合わせとして、航空各社は運賃や預け手荷物などの手数料を引き上げてきた。ただ、乗客獲得競争が熾(し)烈なため、すべてのコストを顧客に転嫁することはできていない。スピリット航空のような格安航空会社は割安な運賃を求める顧客への依存度が高く、値上げは一層困難な状況にある。
資本集約的な航空業界では破産は珍しくない。好況時であっても、航空会社の利益率は低く、過去25年で米国の主要航空会社8社が破産を申請している。
多くの場合、破綻(はたん)した航空会社は財務が健全な競合他社に買収され、業界全体で再編が進む。現在はユナイテッド、アメリカン、デルタ、サウスウエストの4大航空会社で旅客便の約8割を占めている。
ただ、航空会社が完全に事業を閉鎖するのはまれ。スピリット航空の閉鎖は、2001年9月11日の米同時多発テロ後にミッドウェイ航空が廃業して以来、米国の主要航空会社で初の事業閉鎖となる。
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