政府は21日、日本から防衛装備品を海外へ輸出するルールの見直しを決めました。人を殺したり傷つけたりできる武器の輸出を認めます。戦後の日本は、長年にわたって武器の輸出をひかえてきましたが、国の安全を守る政策の方針が大きく変わります。
日本は1967年に「武器輸出三原則」を定めて共産主義の国々などへの武器の輸出を禁止し、さらに76年に全面的に輸出を禁じました。2014年になって安倍晋三政権が政策を見直して「防衛装備移転三原則」を定めました。戦いを目的とせず、五つの類型(救難・輸送・警戒・監視・掃海)に限定して輸出を認めました。
自民党と日本維新の会は昨年10月、連立政権の合意書に五つの類型をなくすことをもりこみました。今回の見直しは、五つの類型をなくし、護衛艦やミサイルなどの武器を輸出できるようにします。完成品だけでなく、部品や技術の提供も認めます。
装備品は殺傷・破壊能力があるかどうかに応じて「武器」と「非武器」に分けます。警戒管制レーダーのような非武器の輸出先には制約を設けません。護衛艦などの武器の輸出は、日本と協定を結んだ国に限ります。これまでに結んだ国はアメリカやオーストラリア、フィリピン、インドネシアなど17か国で、これからカナダやスペイン、フィンランドとも結ぶ見通しです。
「現に戦闘が行われていると判断される国」への武器の輸出は原則できません。一方、特段の事情がある場合は例外として輸出を認めます。
輸出できるかどうかは、国家安全保障会議(NSC)で審査します。NSCで輸出を認めると判断した後、装備品の内容を全ての国会議員に文書で知らせます。また、輸出先の国や軍隊が装備品を横流ししていないかなどを確認します。
ルールの見直しは、国の安全を守る環境がきびしくなる中で、国内の防衛産業を強くして、経済の成長につなげるねらいがあります。防衛力を強化するため、政府は2023年度から防衛費を増やし続けていて、26年度は国内総生産(GDP)に比べて2%にせまる10兆6000億円の予算をつけています。
政府は主な輸出先として、オーストラリアやフィリピンを想定しています。このタイミングで政策を変えた背景には、高市早苗・総理大臣と小泉進次郎・防衛大臣が5月の大型連休に予定する外国訪問があります。高市さんたちは各国に説明し、トップセールスをする考えです。=2面につづく
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