アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことで、中東から原油などを運ぶ船がホルムズ海峡を通れなくなってきました。このあおりで、石油化学製品「ナフサ」の不足が心配されるようになりました。ナフサとはどんなものなのでしょうか。
ナフサは、無色透明の液体です。原油を精製すると、熱する温度に応じて「重油、アスファルト」「軽油」「ジェット燃料、灯油」「ガソリン、ナフサ」「石油ガス」などを取り出して、それぞれの使い方をされていきます。
ナフサを熱で分解するなどで、さまざまな石油化学製品の原料ができます。エチレンやベンゼンなどの「基礎化学品」です。さらに、それぞれの基礎化学品に処理を加えると、ポリエチレンや合成ゴム、ポリエステルなどに変身していきます。
こうした製品は、「川中製品」と呼ばれています。ナフサが最終的な製品になるまでの流通ルートを川の流れに例え、川中製品は流通の中間段階で取引されているからです。川中製品をさらに加工したら、プラスチック製品やゴム製品、電子部品、繊維製品といった「川下」の製品ができあがります。
原油の精製により国内で生産されるナフサは約4割、残りは輸入しています。輸入分のうち、アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートなど中東からは約7割を占めます。そのうえ、国内で精製する原油の約9割を中東に頼っているので、実質的にはナフサの多くは「中東もの」です。
ホルムズ海峡の「封鎖」前の2月時点で1キロリットル=6万円台だったナフサの価格は、3月時点で8万円台をつけました。これは、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年とほぼ同じ水準です。中東の代わりになるナフサの調達先としては、アジアやヨーロッパ・アメリカがあります。
ホルムズ海峡を船が通れなくなると、ナフサ不足が心配され出しました。今年3月に入ると、三井化学など複数の化学メーカーが、基礎化学品に当たるエチレンの減産を決めました。
高市早苗・総理大臣は4月5日、Xで「少なくとも国内需要4か月分を確保しています」と発信しました。ナフサについて、経済産業省は「国内需要4か月分」に加え、アメリカなど中東以外からの輸入を倍増させることで「半年分以上」の確保も見込めるとしています。
ただ、水まわり総合住宅機器メーカー「TOTO」は13日、ユニットバスなど一部の製品について、新たな注文を受けないことにしました。ナフサなどの原材料の調達が不安定になっていることを理由としています。こうした動きがさらに広がるおそれがあります。
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