(CNN) 英ロンドンで開かれる人気の音楽フェスティバルの主催者が、今回のイベントの中止を発表した。主要なアーティストとして出演予定だったラップ歌手カニエ・ウェストさん(現在は「イェ」に改名)の英国入国が拒否されたことを受けての措置だという。
当該の「ワイヤレス・フェスティバル」の目玉としてウェストさんが登場するとの発表は、当初からユダヤ人団体や政治家からの批判を招いていた。近年ウェストさんが反ユダヤ主義的な発言を繰り返していたことが理由だ。
この反発を受け、主要スポンサーのペプシとディアジオは、7月10日から12日に開催予定だった同フェスティバルから撤退。さらに英国のスターマー首相も、ウェストさんをフェスティバルの主役に据える判断を「極めて憂慮すべき事態」と批判していた。
そしてここに至って英当局はウェストさんの入国を拒否。本人の英国滞在が公共の利益に資するものにならないとの見解を示した。
スターマー氏は7日、そもそもウェストさんがワイヤレス・フェスティバルの目玉として招待されるべきではなかったと発言。X(旧ツイッター)に投稿した声明で「英国政府はユダヤ人コミュニティーと断固として連帯する。我々は決して戦いを止めず、反ユダヤ主義という毒に立ち向かい、これを打ち負かす」と述べた。
「我々は常に国民を守り、我々の価値観を堅持する上で必要な措置を講じる」(スターマー氏)
政府の決定を受け、ワイヤレス・フェスティバルを主催するフェスティバル・リパブリック社は7日の声明でイベントの中止を発表。チケット購入者全員に払い戻しを行うと明らかにした。
声明の中で同社は「あらゆる形態の反ユダヤ主義は忌まわしいものであり、当社はこれらの問題が人々に及ぼす現実的かつ個人的な影響を認識している」と説明。その上でウェストさんについて「英国のユダヤ人コミュニティーと対話を始める機会が得られるのを依然として希望している」と付け加えた。
ウェストさんは以前に出した声明で、ワイヤレス・フェスティバル出演を巡る議論を注視していると述べ、英国のユダヤ人コミュニティーの人々と直接会って話をする機会が得られればありがたいと語っていた。1月には米紙ウォールストリート・ジャーナルに全面広告を掲載し、過去の発言について謝罪している。
ウェストさんの英国入国が拒否されたとの報道を受け、反ユダヤ主義に対抗する団体CAAは、英政府が「明らかに正しい判断を下した」と評した。
CAAの広報担当者は7日の声明で、「鉤十字(かぎじゅうじ)Tシャツの販売で数千万ドルを稼いだと豪語し、わずか数カ月前に『ハイル・ヒトラー』という曲を発表した人物は、英国の公共の利益に明らかに貢献しない」と述べた。
「ワイヤレス・フェスティバルは利益追求に躍起になり、最後まで(ウェストさんの)招待を擁護した。これは恥ずべき行為であり、スポンサーは今後も距離を置くべきだ」と、声明は付け加えた。
英国ユダヤ人代表委員会というユダヤ人コミュニティー団体も、「政府が英国のユダヤ人の懸念に耳を傾け、カニエ・ウェストの入国を阻止したことを歓迎する」と述べた。
ワイヤレスは英国最大級の音楽フェスティバルの一つで、毎年最大15万人が来場する。
ウェストさんは2015年のグラストンベリー・フェスティバルに登場して以来、英国で公演を行っていない。
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