スーダンでは内戦が起きています。2023年4月以降、約1200万もの人が家を離れました。そのうち、400万人以上が近くの国へ逃げて、難民になっています。さらに、干ばつなどの影響で、食べ物が足りなくなる飢きんの心配も広がっています。
北ダルフール州の小さな村で暮らしていたアズーズさん(当時13歳)は、しばらくのあいだ、家族と手づくりの地下壕に身を潜めていました。しかしある日、自宅が砲撃で壊されてしまい、村を離れる決心をします。母親のナグラさんは、逃げている間のことをこうふり返ります。「食事は葉っぱの粉を塩と水で混ぜたものだけ。アズーズはとても弱って、まるで骸骨のようになってしまいました」
家族は1か月以上、ときには裸足で旅を続けました。ようやく北部の町にたどり着いたころには、だれもがやせ細り、疲れきっていました。ナグラさんは砲撃で目に深い傷を負い、きょうだいの一人は銃で撃たれて足を引きずり、家族全員が心と体に大きな傷を受けていたのです。
「アズーズはクラスで成績が1番でした。でも、内戦のせいで長い間、学校に行けませんでした」とナグラさんは言います。いま、アズーズさんと4人のきょうだいたちは、避難所内にある学校に通い、子どもたちが勉強の遅れを取り戻すための特別な学習プログラムに参加しています。
「この場所にたどり着くまで、ずっと怖かった」と、逃げ続けた日々を思い出しながらアズーズさんは話します。でも今は、本や鉛筆などの学用品でいっぱいのリュックを背負い、未来への希望を感じはじめています。「早く戦争が終わって、故郷がもと通りになってほしい。前みたいにみんなで平和に暮らしたい」
ユニセフはほかにも、日本政府とのパートナーシップのもと、紛争の影響を受ける五つの州で、8万3600人以上の子どもたちを支える活動を行っています。220校の修復、学習教材の提供、1760人の教員への研修、そして生活の知識や心のケアを学ぶ若者クラブ設立など、学校と子どもたちの未来を守るための支援を続けています。<協力・日本ユニセフ協会 タイトルカット・陽魚>
・国名 スーダン共和国
・首都 ハルツーム
・面積 186万1484平方キロメートル(日本の約5倍)
・人口 5044万8000人(日本の約0.4倍 2024年推定)(世界年鑑25年より)
・5歳未満児死亡率 1000人あたり52人(22年)
・前期中等教育(12~15歳、日本の中学校相当)の非就学率 30%(2000~24年)(日本は0%)
ユニセフ(国連児童基金)とユニセフ協会(国内委員会)は、すべての子どもの命と権利を守るため、約190の国と地域で活動しています。日本ユニセフ協会は、国内で募金や広報活動などをしています。
東京都の品川駅から徒歩7分のユニセフハウスでは、展示を通して、この連載に出てくるような世界の子どもたちと出会い、子どもの権利について学び、考えることができます。QRコードからも展示内容を見られます。
戦争、災害、貧困……。厳しい環境の中で生きる、世界の子どもたちのいまを知り、私たちに何ができるのか考えるコーナーです。
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