北海道太平洋沖で17世紀にマグニチュード(地震の規模、M)9クラスの超巨大地震が起きた千島海溝沿いで、同規模の地震を起こしうるエネルギーが蓄積している可能性があるとの研究成果を、東北大学(宮城県)などのチームが発表しました。前回から約400年が経過しており、「超巨大地震とそれに伴う津波が切迫している可能性がある」としています。
チームによると、北海道太平洋沖では約400年間隔で巨大地震が繰り返されてきたと考えられています。前回の正確な年は分かっていませんが、1611~37年ごろにM8・8程度の地震が起き、約1~4キロメートル内陸まで津波で浸水したとされます。しかし、海溝沿いには観測網がなく、地震を引き起こすプレート境界のひずみの蓄積を示すデータは得られていませんでした。
そこで東北大学と北海道大学、海洋研究開発機構(JAMSTEC)のチームは2019~24年、過去に地震が発生したとみられる根室沖の海底3か所に観測点を設置。音波データなどを得て地殻変動を測定しました。その結果、海溝に近い太平洋プレートと陸のプレート上の2か所で、地殻がいずれも西北西へ年約8センチメートル動いていることを確認しました。
千島海溝では太平洋プレートが年約8センチメートルの速さで陸のプレートの下に沈み込んでいます。今回観測された陸のプレートの変動は、太平洋プレートの沈み込みの大きさや向きと一致していたことから、プレート境界の浅い部分が固くくっついて陸のプレートを引きずり込んでいることが分かりました。
17世紀の地震以降、ひずみがたまり続けている場合、その量は20・5~30メートルだと計算されます。17世紀の地震ではプレート境界が約25メートルずれたとみられ、すでに同規模の巨大地震を起こすエネルギーをためていることになります。今回の観測点より深いプレート境界では、03年十勝沖地震(M8・0)などが起きていますが、海溝寄りの浅いところでは大地震が起きておらず、ひずみがたまっている可能性が高いといいます。
11年の東日本大震災(M9・0)の前も、宮城県沖の日本海溝付近に地震の「空白域」が確認されていました。大震災では日本海溝付近まで断層が大規模にずれ、巨大津波を引き起こしました。東北大学の富田史章助教は「北海道沿岸では最大20メートルほどの非常に大きな津波が予想されています。発生間隔にばらつきはありますが、将来必ず巨大地震が発生するというリスクを認識して生活してほしい」と話します。【高橋由衣】
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