ロンドン(CNN) 19日のアンドルー元王子の逮捕は、本人にとって途方もない地位の転落を意味する。その一切は、起訴の難しさで悪名高い、ある法律にかかっている。専門家はかねてこの法律について、明確性を欠くと批判していた。
警察はアンドルー元王子を公務上の不正行為の疑いで逮捕した。これはイングランドにおいてはコモンロー上の犯罪に該当する。つまり立法行為ではなく、過去の裁判所の判断を通じて確立された犯罪となる。数百年前から続く罪であり、最高刑は終身刑だ。
同日遅く、アンドルー元王子が警察署を去る様子をカメラが捉えた。テムズバレー警察は、元王子は「釈放されたが捜査は続いている」と述べた。
警察はアンドルー元王子を公務上の不正行為の疑いで逮捕した経緯を明らかにしていない。元王子は2001年から10年間、英国の貿易特使を務めていたが、性犯罪で起訴され勾留中に死亡した米富豪、ジェフリー・エプスタイン氏との関係をめぐって批判が高まり、11年に辞任した。
イングランドの法律では、当該の犯罪は「公職の権限または責任に対する重大かつ意図的な乱用もしくは怠慢」に関するものとされる。イングランドおよびウェールズで刑事事件の起訴を担当する機関、公訴局(CPS) がそう定めている。
検察の指針は、公務上の不正行為で有罪となるのに四つの要素が必要だとしている。まず被告は公務員とみなされなくてはならず、不正行為と職務の乱用との間には直接的な関連がなければならない。
また犯罪は故意に犯されたものである必要がある。つまり、当該公務員が「不正を知りながら、または無謀なまでの無関心で」、故意に不正行為を行ったと認定されなければならない。さらに、「もっともな理由や正当化なしに」行われることも必要になる。
法律の専門家はこの犯罪を複雑かつ不明瞭なものだとして、起訴に持ち込むのは容易ではないとの見方を示唆している。
アンドルー元王子の兄のチャールズ国王には主権免除があり、刑事訴追や民事訴訟を免除されているが、元王子や他の王室メンバーに対して法的措置を禁じる規定はない。
英国政府に対して法改正に関する助言を行う法律委員会の報告書は、この犯罪について「定義の難しさにかけてはイングランドとウェールズで最も悪名高い犯罪の一つ」と評した。
同委員会の20年の報告書によると、現行法は「不十分であり、とりわけ終身刑に処せられる可能性がある点においてそうだ」という。そして近年、この犯罪の定義は流動的になっている。
「過去20年間、相当数の判例法によってこの犯罪の定義は精緻(せいち)化され、場合によっては変更されてきた」と報告書は述べている。「ここ数十年で警察と検察によるこの犯罪の使用が増加したことで、問題はさらに悪化している」
問題の一因は、現代において公務員の明確な定義が存在しないことだと、検察の指針は指摘する。ここでの対象は閣僚や首長、国会議員といった選挙で選ばれた当局者はもちろんのこと公務員、刑務官、陸軍将校、巡査、さらには英国国教会の司教にまで及ぶ。
現行法は、二次的な関係者の訴追にも利用されてきた。 例えば公職者に機密情報の漏洩(ろうえい)を唆(そそのか)したとされるジャーナリストなどだ。法律委員会によると、そうした事例は大きな論争を巻き起こしている。
ロンドンに拠点を置くシンクタンク、政府研究所によると、公務上の不正行為においては犯罪の重大性も重要な要素であり、そこに「高いハードル」があるという。
「公務上の不正行為(MiPO)は定義と範囲が曖昧(あいまい)であり、犯罪のあらゆる要素を立証することが困難であるため、警察と検察はコモンローではなく制定法により罰せられる他の特定の犯罪に頼る傾向がある。それらが利用可能である場合はそうなる」と、政府研究所の専門家は述べている。
Indonesian
English
Hindi
Thai
Vietnamese
Burmese
Spanish
Portuguese
Arabic
Russian
Chinese