ムンバイ(CNN) インドの商都ムンバイにあるシバジ公園では、毎朝多くの市民がパワーウォーキングに励む。スマートウォッチで歩数を確認しつつ、近くの屋台で揚げ物のスナックやシロップたっぷりの菓子をほおばる人々もいる。健康志向と飽食が交錯するこんな場面を背景に、肥満症治療薬の発売ラッシュが訪れようとしている。
インドでは来月、デンマーク製薬大手ノボノルディスクの肥満症治療薬「オゼンピック」の主成分「セマグルチド」が特許切れを迎える。このタイミングをねらい、同国の巨大な製薬業界が競って後発薬(ジェネリック医薬品)を発売しようとしている。
アナリストらによると、インドでは価格競争によって、一部の肥満治療薬が9割値下がりする可能性もあるという。米投資銀行ジェフリーズは、同国のセマグルチド市場が10億ドル(約1550億円)規模を超えるだろうと予測する。
インド医薬品輸出促進協議会(Pharmexcil)のナミット・ジョシ会長はCNNとのインタビューで、「準備万端の態勢だ」と語った。「この薬は特許が切れた途端、爆発的に売り出されるだろう」
インドは「世界の薬局」として知られ、数十年前にはHIV(エイズウイルス)感染症の治療薬を低価格で広範囲に供給する役割を果たした。アナリストらは、世界の肥満症治療という新たな分野でも、同国が低価格の薬を供給する主力になり得るとみている。
この動きはインド国内にも変革をもたらす可能性がある。糖尿病大国のインドは、世界でも肥満症治療薬の市場が急成長している国のひとつ。英医学誌ランセットによると、同国では2050年までに肥満、過体重の成人が4億5000万人に達すると予想される。
セマグルチドは脳の満腹中枢に作用し、食欲や血糖値を抑えるホルモンに似た働きをする。これを主成分とするオゼンピックは、自己注射が可能な注入器入りの形で提供されることが多い。インドの大手医薬品メーカー各社も3月以降、同じ形で売り出す構えだ。
CNNが入手した資料によると、インドでセマグルチドの肥満症治療薬を製造しようと準備を始めているメーカーは少なくとも10社に上る。
ワンソース・スペシャルティー・ファーマは1億ドル(約155億円)を投資し、今後18~24カ月で製造能力を5倍に強化する方針。特にセマグルチドを含む肥満症治療薬と注入器のセットに注力するという。
別のインド企業、バイオコンはCNNに、南部ベンガルール(旧名バンガロール)で1億ドル前後を投じ、国内外の市場向けに注射薬の工場を始動させたと述べた。
シッダールト・ミッタル最高経営責任者(CEO)は、27年の発売をめざし、ブラジルとカナダへの輸出を予定していると語った。
同社のライバル、ドクター・レディーズ・ラボラトリーズはロイター通信に、インドを含む87カ国で来年、セマグルチドのジェネリック医薬品を発売する計画を明らかにした。エレズ・イズラエリCEOは、このジェネリックで「数億ドル」の売り上げを見込んでいると述べた。
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