(CNN) 米国は、独裁政権による混迷が深まるイランへの攻撃を検討している。
イラン政府は近年で最も弱体化しており、米国がベネズエラ政権を倒してからわずか2週間足らずで、もう一つのOPEC(石油輸出国機構)加盟国である同国を不安定にさせている。
イラン全土で勃発した抗議活動を受け、政府がデモ参加者に加えた激しい弾圧は、トランプ米大統領が引いた一線を越えた。トランプ氏は、米政権が攻撃を検討していることを示唆している。しかし14日には、イランに対する行動を起こすかどうかの判断については引き続き「状況を注視していく」と述べた。
イランは、世界第3位の石油埋蔵量と、世界有数の重要な石油輸送路の一つを支配している。米国が介入するかどうかに関わらず、こうした要素はイランの将来を形作ることになるだろう。
OPECによると、イランは世界の原油生産量の約4%を占める、日量平均約320万バレルの原油を生産している。これは世界第6位の規模だ。世界的に厳しい制裁を受け、潜在顧客が著しく制限されていることを考えれば、これは驚くべき実績といえる。制裁を回避するため、イランは影の船団を操業し、大幅な値引きをしながら原油を輸出している。
しかし、イランの潜在資源は実際の生産量をはるかに上回る。同国の石油埋蔵量はベネズエラとサウジアラビアに次ぐ2090億バレル。1日あたりの産出量は、イラン国王(シャー)が失脚する前の1970年代半ばに生産されていた日量650万バレルの半分にも満たない。
ベネズエラと同様、イラン最大の顧客は中国だ。米エネルギー情報局によると、中国は2024年にイラン原油の実に97%を購入した。類似点はそれだけにとどまらない。イランも数十年にわたって外国の石油会社の資産を接収し、自国のエネルギーインフラを国有化した過去がある。
しかし、イランは世界のエネルギー市場において、ベネズエラよりもはるかに重要だ。
石油関連企業シットゴーの元会長ルイサ・パラシオス氏は「石油の供給途絶のリスクがあるため、短期的にはイランの動向のほうが石油市場にとってはるかに重要だ」と指摘する。
イラン産原油の供給が途絶する恐れから、原油価格はすでに急騰している。14日には1バレル61ドルを超えた。このわずか1週間前には、トランプ氏がベネズエラでの生産強化を約束し、56ドルまで下落していた。翌日にトランプ氏が攻撃は差し迫っていないと示唆したことを受け、原油価格は4%下落。60ドルを再び下回った。
米国がイランを攻撃した場合、原油価格は大幅に上昇する可能性があるが、それは攻撃の規模とイランの対応次第だろう。
イランは望めば石油市場に深刻なダメージを与える力を持っている。同国はホルムズ海峡の北側を支配しており、他の産油国にとっての要衝となっている。ホルムズ海峡は世界の原油生産量の約5分の1に相当する2000万バレルの原油が通る。同海峡はペルシャ湾から世界へ原油を輸送する唯一の経路でもある。
だからこそ、石油市場は動揺しているのだ。
イランは制裁対象国としては驚くほど多様な経済を築いており、石油は国内総生産(GDP)全体のわずか10~15%を占めるに過ぎない。しかし、イラン政府は財政を石油産業に強く依存しており、歳入の半分を原油輸出から得ている。
「石油は現政権で極めて重要な役割を担っており、政権が交代したとしてもその役割は続いていくだろう」と米ピカリング・エナジー・パートナーズの創業者ダン・ピカリング氏は述べた。
イランはまた、ベネズエラよりも優位にある。ベネズエラの独裁政権は過去数十年にわたり石油インフラの崩壊を許してきたが、イランのインフラは良好な状態にあるためだ。
「将来の政権はゼロからスタートするわけではない」と金融アドバイザリー大手デビアグループの最高経営責任者(CEO)ナイジェル・グリーン氏は述べた。「限られた能力から始めることになるが、その能力は解放される可能性が高いと考えられる」
もちろん、それはイランの新政権が西側諸国に友好的で、世界中の国々に制裁解除を働きかけられる場合だ。RBCキャピタル・マーケッツのグローバル商品戦略責任者、ヘリマ・クロフト氏はそう指摘する。
「すべては今後の動向と、ハメネイ師の後にどのような政権が誕生するか次第だ」(クロフト氏)
短期的には政権交代によって原油価格が上昇する可能性がある。国営石油産業の支配権を誰が握るかといった政権移行の不確実性は、世界の原油市場のリスクを高める。しかし、イランの新政権は、長期的にみれば原油価格の安定と下落に貢献しうる。特に、現独裁政権が数十年にわたって阻んできた透明性がもたらされれば、その効果はさらに高まるだろう。
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