(CNN) 誰にも注目されずに終わってもおかしくない試合だった。だが、実際には瞬く間にネット上で話題となった。
国際テニス連盟(ITF)の女子の下部大会「W35」の1回戦がケニア首都ナイロビで、クレーコートを舞台に行われた。通常であればテニス界で大きな話題になることはない大会だが、37分間にわたって繰り広げられた過酷な闘いを数百万人が目撃した。
試合結果は特筆すべきものではなく、ドイツのロレーナ・シェーデルが6―0、6―0で勝利した。しかし、目を引いたのはエジプトのハジャル・アブデルカデル(21)のプレー内容だった。アブデルカデルにとってはプロのデビュー戦のようで、SNSではテニスコートに立つのも初めてだったのではないかと指摘する声も上がった。
アブデルカデルがプロの大会で完全に場違いな状況に陥り、世界中のテニス解説者から批判をあびた経緯について、新たな詳細が明らかになりつつある。ケニアのテニス協会がCNN Sportsに出した声明によれば、アブデルカデルは「ワイルドカード」で大会に出場していた。ワイルドカードは、予選やランキングを経ずに本戦に出場できる「招待枠」だ。
同協会によると、アブデルカデルは正式にワイルドカードを申請し、6日の朝にナイロビに到着していた。その後、別の選手が直前に欠場したことで枠が空いたという。協会は声明で、「当時、ワイルドカードを申請していた選手は、アブデルカデルだけだった」と説明した。
ITFの選手プロフィルによる限られた情報では、アブデルカデルは14歳から7年間テニスを続けているとされる。ただ、コート上での姿は場違いに見え、多くの人がその経歴を信じがたいと感じた。試合には高度な技術が求められるが、ラケットの持ち方もおぼつかない様子で、ネットを越えるショットを打つのにも苦労していた。
アブデルカデルはダブルフォールトが20回に上り、獲得したポイントは相手のミスによる3点のみ。サーブの際、どこに立てばいいのか分かっていないように見える場面もあった。
エジプトのテニス連盟はCNN Sportsに対し、アブデルカデルは同連盟に登録されておらず、公式選手リストにも含まれていないと明らかにした。
アブデルカデルのプレーに対するネット上の反応は、困惑から嘲笑までさまざまだった。本来ならプロの選手が得るべき機会が奪われたのではないかとの指摘もあった。ITFの大会はプロツアーの下部に位置するとはいえ、重要なランキングポイントがかかる正式な大会だ。優勝者は賞金2万5000ドル(約390万円)を手にする。
ケニアのテニス協会は、アブデルカデルを本戦に迎え入れた判断について、提供された情報に基づき、アフリカのテニスの発展を支援しつつ、完全かつバランスの取れた出場枠を維持するという観点から行われたと述べた。
一方で、今回のような試合は今後避けたいとしている。同協会は「振り返れば、この水準を考えるとワイルドカードを与えるべきではなかったと認識している。今回の経緯を踏まえ、同様の極めてまれな事態が二度と起こらないように努める」とした。今回の情報の拡散が与える精神的な影響にも言及し、ITFとともにアブデルカデルとシェーデルを支援するため連絡を取ったことを明らかにした。
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