世代をまたいだ人と競走馬の物語を描くドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」(TBS系、昨年10~12月に放送)が好評を博しました。大牧場出身のエリートに、北海道・日高の小さな牧場で育った馬が挑むのも見どころの一つでしたが、そんなドラマを地で行く牧場があります。【安高晋】
70歳を超えた3人で切り盛りし、生まれる子馬は年数頭のみという坂戸牧場(日高町)。ここから4年前、名だたる「つわもの」をけちらすGⅠ(ジーワン)ホースが誕生しました。
牧場は1968年、坂戸節子さん(75)の夫・正弘さんが始めました。74年に坂戸さんと結婚し、家族経営を続けてきましたが、94年に正弘さんが交通事故で突然亡くなります。
坂戸さんは「やっていけない」とあきらめかけましたが、正弘さんの知人だった渡辺明治さん(89)と、他の牧場で働いていた坪島新一さん(83)が加わってくれました。以来、3人で助け合いながら、東京ドーム4個分にあたる20ヘクタールの牧場を運営してきました。現在は繁殖牝馬(メス)6頭、子馬2頭が暮らします。
道南部の太平洋に面した日高地方は「競走馬のふるさと」と言われます。多くが中小規模の600あまりの牧場がひしめきます。国内で生産されるサラブレッドは約8000頭。このうち約8割が日高産です。
それでも、大レースでは施設やノウハウの整った大牧場の活躍が目立ちます。
2024年に中央競馬の平地GⅠ(ジーワン)レースを勝ったのは「社台グループ」のノーザンファーム(安平町)と社台ファーム(千歳市)の生産馬が計16頭。日高地方の計5頭(浦河町3頭、日高町1頭、新ひだか町1頭)を圧倒します。
16年、坂戸牧場に1頭の牡馬(オス)が生まれました。走りぶりを見て渡辺さんは「こりゃ大変な馬だ」と感じたそうです。坂戸さんも「丈夫で、他の馬をいじめたりしない賢い子だった」と振り返ります。牧場で1年半を過ごし、その後は育成施設などでトレーニングを積み、ナランフレグと名付けられました。=2面につづく
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