ニューヨーク(CNN) ビール販売を手掛ける米コンステレーション・ブランズは、成長に向けて中南米系の顧客を取り込むべく、「モデロ・エスペシアル」と「コロナ」の2銘柄を展開してきた。しかし大規模な国外退去を進めるトランプ政権の政策によって、その戦略は崩壊しつつある。
顧客調査、企業調査、市場調査によると、合法・不法滞在を問わず、多くの中南米系消費者は、移民に対する法執行の強化を受けて店舗やレストラン、バーなど公共の場へ出ていくことに不安を抱いている。ビールがふんだんに注がれるような大規模なパーティーや祝賀会は、規模が縮小されるか中止されてきた。移民労働者の多い業界では人員削減が行われており、生活費の高騰も家計を圧迫している。
こうした中、コンステレーションの売り上げは急落した。モデロは「ミケロブ・ウルトラ」にビール売り上げトップの座を奪われ、株価は今年に入って40%近く下落。S&P500構成銘柄の中でもパフォーマンスが特に低い企業の一つとなっている。
同社の苦境は、トランプ大統領の移民政策が経済と企業経営の予期せぬ領域に波及していることを如実に示す。米大手企業の一部は長年にわたり、中南米系消費者の購買力向上に賭けてきたが、その戦略も転換を余儀なくされている。
こうした圧力は、コンステレーションにとって他社以上の打撃となる。同社のビール顧客のうち中南米系は約半数と、業界で最も大きな割合を占めているからだ。米国最大の中南米系人口を抱え、米移民税関捜査局(ICE)による強制捜査の主な標的となっているカリフォルニア州は、コンステレーションにとって最大の市場でもある。
コンステレーションの幹部は昨年、「中南米系の消費者は、当社のビール事業にとって最も重要な消費者グループだ」「(彼らは)当社の成長を可能にしてきた基盤に他ならない」と語っていた。
コンステレーションはこの記事へのコメントを控えた。ホワイトハウスもコメント要請に応じなかった。
トランプ政権による包括的な移民政策は、あらゆる規模の企業を揺るがしている。特にロサンゼルス、シカゴ、ノースカロライナ州シャーロットといった主要都市の移民街への影響が顕著だ。
移民支援団体「スモール・ビジネス・マジョリティー」が11月に発表した世論調査によると、米国の中小企業経営者のほぼ半数が、移民取り締まりの強化で事業に悪影響が及んでいると回答している。例えばテキサス州では、レストラン経営者が客足の減少と従業員の退職に苦しんでいるという。業界団体「テキサス・レストラン協会」が先月実施した調査で明らかになった。
他の大企業も苦境に立たされている。バーリントン、ウィングストップ、コルゲート・パーモリーブ、ペプシコといった大手企業は、いずれも中南米系住民の多い地域の店舗やレストランで売り上げが減少したと報告している。
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