競争が激化しているドラッグストア業界。業界再編の動きが加速する中、各社が特色を打ち出しています。
■“巨大ドラッグストア”誕生 売り上げから見える特色とは
山形純菜キャスター:
12月1日に統合したのは、ドラッグストア業界1位「ウエルシアHD」と業界2位「ツルハHD」で、売上高は2兆円を超える見通しだということです。
売上高2位となる「マツキヨココカラ&カンパニー」(1兆616億円)は、2021年に「マツモトキヨシ」と「ココカラファイン」が経営統合したものです。
山形キャスター:
ドラッグストア業界各社の決算には、品目別の売り上げがあるのですが、そこから大きく分けて“3つの特色”が見えてきます。
【〇〇強化型ドラッグストア】※各社の決算短信より作成
▼バランス型
医薬品や化粧品、日用品など、食品、調剤がバランスよく売り上げ
→「ウエルシアHD」「ツルハHD」
▼食品強化型
食品の売り上げが高い
→「コスモス薬品」61.2%が食品
→「クスリのアオキ」52.2%が食品
▼医薬品・化粧品強化型
医薬品・化粧品の売り上げが高い
→「マツキヨココカラ&カンパニー」
医薬品が36.5%、化粧品が35%
合わせて7割を超える
■ドラッグストアに厨房?“食品強化型”の狙い
山形キャスター:
“食品強化型”ドラッグストアである「クスリのアオキ」は、北関東を中心に全国で1085店舗を展開しています。
2022年頃から一部小型店を除き、食品事業を強化しています。▼全店舗で生鮮食品を販売、▼厨房を設置し、できたての総菜を販売していて、売り上げの半分以上が食品だということです。
小売業の流通に詳しい流通経済研究所・上席研究員の池田満寿次さんは、購買頻度の高い「食品」を強化し、来店頻度を高める。そして、利益率の高い化粧品・医薬品などの“抱き合わせ”購入を狙っているのではないかとしています。
また、同じく“食品強化型”ドラッグストアの「コスモス薬品」では、あえて郊外に出店することで、大きな売り場・広い駐車場を確保しています。
その狙いについて、コスモス薬品の担当者は、高齢のお客さんは何店舗も回るのが大変なため、医薬品・化粧品・食品など“一か所で完結”できるようにしているといいます。
■“医薬品・化粧品強化型” 「利便性の高さ」がポイントか
山形キャスター:
“医薬品・化粧品強化型”ドラッグストアである「マツキヨココカラ」は、医薬品・化粧品の売り上げが約7割を占めています。
マツキヨココカラ&カンパニーの担当者によると、「資格・専門知識が必要な分野などで成長を目指す」ということです。
流通経済研究所の池田さんは、駅前など都市部に店舗があることで、利便性が高く、すでに集客効果があるといいます。そのため、利益率が高い医薬品・化粧品などの強化ができるのではないかと見ています。独自ブランドも約2300品目あるということです。
井上貴博キャスター:
医薬品や日用品だけの販売ではなく「生活インフラの拠点にしよう」ということだと思いますが、スーパーやコンビニエンスストアとの競争にもなりますよね。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
商品だけではないサービスであったり、「ディスプレイ」や「店員との会話」などほとんどエンタメ化しているようにも感じます。“親しみ感”のようなものが大事になっているのかもしれません。
出水麻衣キャスター:
価格競争だけでは企業側が疲弊してしまいますから、各社が工夫しているのだろうと思います。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰
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