国会で最も多くの議席を持つ自民党が、結党から70年を迎えました。日本の敗戦から10年後の1955年に結成されて以来、ほとんどの期間にわたって政権を担当してきました。戦後を代表する大政党だと言えます。
その自民は、過去に2回の大ピンチがありました。1993年の衆議院議員選挙では過半数を割り込み、初めて下野(与党から野党に転落すること)しました。2009年にも当時の民主党に大敗し、政権を失いました。しかしその度に、何とか態勢を立て直して政権復帰を果たしています。
そして今、3回目にして最大のピンチに直面しています。この1年あまりの間に国政選挙で2連敗し、衆参両議院で少数派に転落しました。ただし、自民に対抗する野党が結束できていないため、下野をしなくて済んだことがこれまでとの違いです。
自民が抱える大きな課題の一つが、「政治とカネ」です。長年、政治家が官僚、経済界とがっちりタッグを組んできたことは自民の強みでした。しかし同時に、政治にまつわる不透明なお金の問題をしょっちゅう引き起こし、国民をあきれさせてきました。
党の古い構造もなかなか変えられません。昔からの支持者や団体の要望をとても重視する半面、若い世代のための政策や、急激な時代の変化に合わせた対応が遅れがちでした。
自民は「国民政党」の看板を掲げています。一部の層にとどまらず、幅広い人々のための政治をすることで、支持を広げようとする姿勢です。国民一人一人の求める政策が多様化しているため、それを実現することは昔よりも難しくなっています。
10月に就任した高市早苗総理大臣(首相)は高い支持率を記録し、自民は「この勢いで政権を安定させよう」と張り切っています。ところが、自民という政党の支持率そのものはあまり上がっていません。つまり、高市さん個人の人気に頼っている状態のようです。
自民が本当に再生するための改革ができるのか。ここからが勝負ですね。
皆さんの生活の多くのことが実は政治によって決まっています。少しずつでも、皆さんが政治に興味を持てるようになれたらいいな。一番の気分転換は週末の料理。1973年生まれ、東京都出身。
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