(CNN) あらゆる場所に浸透している人工知能(AI)。音楽チャートも例外ではない。
米ビルボードによると、AI歌手のザニア・モネは「ビルボードのラジオチャート入りする十分な放送回数を記録した、確認されている限り初のAIアーティスト」とされる。
ビルボードによれば、モネは今年夏に初めて楽曲をリリースして以降、これまで複数のビルボードチャートに登場。「Let Go, Let God」でゴスペル曲のチャートに、「How Was I Supposed to Know」でR&Bのチャートに名を連ねた。
そして今回、モネは「入札合戦」(ビルボード)の末に、音楽レーベル「ホールウッド・メディア」と数百万ドル規模のレコード契約を結んだ。
ハリウッドでは以前から、AIの演者が人間の仕事を奪う可能性を懸念する声が絶えず、最近ではAI俳優のティリー・ノーウッドをめぐる論争もあった。だが懸念の声がいくら大きくなっても、芸術の世界ではAIの存在感が高まる一方だ。
インスタグラムだけで14万6000人を超えるフォロワーを持つモネは、業界がいらだちを募らせる一方で、消費者がますますAIアーティストの概念を受け入れていることを示す証拠でもある。
アップルミュージックによるアーティストの経歴紹介では、モネについて「高い表現力を備えた教会出身の堅実なコンテンポラリーR&Bボーカリストという触れ込みのAIアーティストで、キーシャ・コールやK・ミシェル、マニー・ロングの系譜に連なる」と説明している。
モネを設計したのはミシシッピ州出身の詩人、テリーシャ・ニッキー・ジョーンズ氏。モネが歌う歌詞はジョーンズ氏が手掛け、音楽生成AIプログラム「Suno」の助けも借りているという。
代理人の声明では、モネの「なめらかでソウルフルなサウンド」と「人間同然の表現力」を称賛した。ただ、モネのマネジャーを名乗るロメル・マーフィー氏はCNNのインタビューに対し、人間の歌手や作曲家に取って代わる意図はないと強調している。
ビルボードは最近、「ここ数カ月で少なくとも6組のAIアーティスト、あるいはAIの助けを借りたアーティストが各種のビルボードランキング入りを果たした」と報告した。
ビルボードによると、「実際の数はさらに多い可能性がある。誰あるいは何がAIによって作られ、どの程度AIが関与しているのか判別が一層難しくなっているからだ」という。「チャート入りを果たしたこうしたプロジェクトの多くは、ゴスペルからロック、カントリーまであらゆる音楽ジャンルに及び、その出所は匿名もしくは謎めいていることも多い」とも指摘している。
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