
ニューヨーク(CNN) 米司法省からの要請を受け、米アップルが「ICEブロック」や類似のアプリを削除したことが分かった。これらのアプリのユーザーは、自分の地域での米移民税関捜査局(ICE)捜査官の目撃情報を近くの人に知らせることができる。トランプ大統領と政権は、こうしたアプリがICE捜査官にとっての脅威になるとして、数カ月にわたって強く非難してきた。
CNNが閲覧したメッセージのコピーによると、ICEブロック開発者のジョシュア・アーロン氏に送ったアップルのメールには、「再評価の結果」、このアプリは「不快な」および「中傷的で差別的、または悪意のあるコンテンツ」に関するアップストアのガイドラインに準拠していないと記載されている。
メールは、「このアプリの目的は法執行官の位置情報を提供することであり、これらの情報が個人または集団で法執行官に危害を加えるために利用される可能性がある」と指摘する。
アーロン氏はかねて、ICEブロックのアプリはICE捜査官との接触を避けるためのものだと述べていた。米連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官は先月、テキサス州ダラスにあるICE現地事務所で銃撃事件を起こした男について、数週間前から襲撃を計画し、「ICE捜査官の存在を追跡するアプリを検索していた」ことを明らかにした。ICEのトッド・ライオンズ長官代行は6月、「誰もが捜査官の居場所を特定できるアプリは、彼らに対する暴力を招いているようなものだ」と語っている。
ICEと国土安全保障省にコメントを求めたが、双方とも3日の時点で即答を控えた。司法省が引用した声明の中で、パム・ボンディ司法長官はICEブロックなどのアプリは一線を越えたと主張している。当該の声明とアプリの削除は、FOXニュースのデジタル版が最初に報じた。
ボンディ氏は声明の中で、「ICEブロックは、ICE捜査官が職務を遂行しているというだけで彼らを危険にさらすように設計されている。法執行機関に対する暴力は容認できず、決して越えてはならない一線だ」との見解を示した。
ICEブロック開発者のアーロン氏は、当該のアプリが法執行機関に対する暴力を扇動する意図で作られたとの見方を否定。3日のCNNへの声明で、「今日のアップルの行動に非常に失望している」と述べ、ICEブロックが法執行官に危害を加えるために設計されたという主張は「明らかに誤り」だと強調した。
アーロン氏によると、このアプリは削除前に100万人以上のユーザーを抱えていた。
ICEブロックと類似のアプリは、今春からアップストアで配信されていた。アップルは声明で、法執行機関との協議を経て、2日にこれらのアプリを削除したと述べた。ICEや国土安全保障省を具体的に名指しすることはなかったが、ボンディ氏はFOXニュースに対し、司法省がアップルに連絡を取り、削除を「要求」したと明らかにした。