
【7月13日 AFP】オーストラリア政府の閣僚は13日、米国や他の同盟国と実施している大規模軍事演習について、中国がひそかに監視を行うと予測していると述べた。
その中で、アンソニー・アルバニージー豪首相は、最近修復された貿易関係を強化すべく6日間にわたって訪中している。
13日からは、合計19か国から約3万人の兵士がオーストラリアとパプアニューギニア全域で行う合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に参加する予定となっている。
パット・コンロイ国防産業相兼国際開発・太平洋相は豪公共放送ABCに対し、「中国軍は2017年からこれらの演習を観察しており、今回そうしないとなれば非常に珍しいことだ」と述べた。
「われわれはもちろん彼らの活動を観察し、オーストラリア周辺での存在を監視する」「演習の監視により、手順や電子スペクトラム、通信の使用に関する情報の収集が行われるため、われわれはその漏えいを管理すべく適宜調整を行う」
またコンロイ氏は、中国が南太平洋に軍事基地を建設しようとしていると、改めて非難。中国側はこれが「虚偽の物語」だと訴えている。
戦略的に重要な南太平洋は、中国と西側諸国の外交戦の舞台となっている。
コンロイ氏は「私の担当する太平洋地域では、中国がこの地域に軍事基地を確保しようとしている」と述べ、これまでと同様の考えを示した。
「われわれは、この地域における主要な安全保障パートナーとなるために懸命に取り組んでいる。なぜなら、それがオーストラリアにとって特に最適な状況ではないと考えているからだ」
中国は2022年、ソロモン諸島と秘密裏に安全保障協定を締結した。詳細は公表されていないが、米国とオーストラリアは、中国の恒久的な軍事基地を設置する前兆ではないかと懸念している。
オーストラリアは「誰も支配せず、誰にも支配されない、バランスの取れた地域」を望んでいるとコンロイ氏は続けた。
フィジーの中国大使館は今月、太平洋地域に軍事基地を設置しようとしている主張は「不純な動機による虚偽の物語」と主張した。
中国は太平洋諸国で、競技場や大統領府、病院、道路の建設に数億ドルを投じており、キリバス、ソロモン、ナウルは近年、中国を支持し、台湾との長年にわたる外交関係を断絶した。(c)AFP