
【7月11日 AFP】ナイジェリアは10日、米国から追放されたベネズエラ人の受け入れを拒否した。米メディアによると、ドナルド・トランプ米大統領はアフリカ諸国に対し、世界各国から追放された第三国市民の受け入れるよう求めている。
不法移民の第三国への追放は、トランプ政権による不法移民取り締まりの看板政策であり、中米エルサルバドルの悪名高い刑務所に数百人を追放したことがよく知られている。
ナイジェリアのユスフ・トゥガー外相は、チャンネルズ・テレビジョンのインタビューで、「米国はアフリカ諸国に対し、米国から追放されるベネズエラ人を受け入れるようかなりの圧力をかけている。中には刑務所から直接国外追放されるベネズエラ人もいる」と説明。
「ナイジェリアがベネズエラ人受刑者を受け入れるのは困難」との認識を示した。
トゥガー外相はまた、ナイジェリアも加盟する新興国グループ「BRICS」への関税を課すと脅迫している米国の動機は、第三国への不法移民追放問題に関連していることを示唆した。
一方のトランプ氏は、ホワイトハウスで西アフリカ5か国の首脳と会談。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、トランプ政権は世界中から追放された不法移民を受け入れるよう圧力をかけた。
セネガル、リベリア、モーリタニア、ガボンの首脳と共にホワイトハウスでの会合に出席したギニアビサウの大統領は記者団に対し、トランプ氏は第三国への不法移民追放問題を提起したが、「受け入れは求めなかった」と述べた。
トランプ政権は前例のない措置として、パナマ国籍ではない数百人をパナマに追放した。その中には、難民認定申請が処理される前に追放された人々も含まれている。
また、数百人もの人々をエルサルバドルに追放した。トランプ政権は18世紀の敵性外国人法を発動し、ベネズエラのギャング構成員と疑われる人々を追放している。
トランプ政権は、紛争で荒廃し貧困に苦しむアフリカの南スーダンにも、第三国市民を追放している。(c)AFP