
小泉農水大臣は、2020年産の“古古古古米”を含む備蓄米20万トンを追加で放出すると発表しました。ただ、町のコメ店からは品質面で「見送る」という声もあがっています。
けさ、東京駅に着いた新幹線。中にあったのは…
記者
「仙台から新幹線で運ばれてきた備蓄米が次々とカートに乗せられていきます」
なんと、備蓄米です。段ボールから次々出されたのは、アイリスオーヤマに随意契約で売り渡された100袋。5キロ=2160円(税込)で早速、予約した人の手に渡りました。
「2000円台はなかなか出てこないからすごくうれしい」
「やっと手に入れられたと安心しています。子どもが3人もいてお米がすぐなくなっちゃうので、手に入れられてよかった」
アイリスオーヤマ 田中伸生 管理本部長
「我々、民間企業も(小泉)大臣の意思を汲んで、スピード感を持って発売をさせていただきました。新幹線を使った新しい物流の形をもっと世間の皆さんに周知できれば」
流通の速度が上がる中、“コメ担当大臣”がきょう、さらにアクセルを踏み込みました。
小泉進次郎 農水大臣
「新たに(令和)3年産10万トン、2年産10万トンの計20万トンを売り渡すことといたします。全く手を緩める気はない。できることは何でもやる」
けさ、20年産の“古古古古米”を追加で放出する方針を表明した小泉大臣。店頭価格は「5キロ=1700円程度」を想定していると話しました。
ただ、まずは21年産の“古古古米”あわせて12万トンの受付をあす午前10時から始め、中小のスーパーだけでなく、いったん募集を停止していた大手小売りや町のコメ店も対象に加えます。
こちらのコメ店では現在、24年産の備蓄米を扱っていますが、きょう発表された“古古古古米”は「食べたことがない」と話します。
山形屋米店 佐藤純一 専務
「うちとしては見送る決断をしています。品質面の不安の要素が強いので、仕入れたはいいがお客様の信頼を失ってはしょうがない」
こう指摘するのは、創業70年の老舗を切り盛りする佐藤さん。味の保証ができない以上、“古古古古米”の販売は「見送る」というのです。
山形屋米店 佐藤純一 専務
「どうしても町のお米屋さん、小売店には一番古い備蓄米が回ってくる。残り物が回ってくるイメージがどうしても強い」
ついに5年前のお米まで放出する事態となったニッポン。価格にどこまで影響を与えられるのか?ここからは未知の領域です。