
男女格差が最も少なく、15年連続で世界1位となっている北欧のアイスランド。その大統領がJNNのインタビューに答え、世界の諸問題を解決するには女性リーダーの力が必要であると訴えました。
アイスランド ハトラ・トーマスドッティル大統領
「男女平等は女性だけでなく、私たち全員にとって、そして未来にとっていいことなのです。必要なのです」
都内で開かれたアイスランド文化の祭典で男女平等を訴えたのは、ハトラ・トーマスドッティル大統領。
アイスランドは閣僚11人のうち女性が7人を占めるなど、「女性のリーダー」像が注目されています。その大統領が世界の男女格差に危機感を露わにしました。
アイスランド ハトラ・トーマスドッティル大統領
「男女格差をなくせなければ、住みやすく平和な世界を実現できません。必要不可欠で、私たちの子供や孫たちの未来に関わることです」
戦争、ウイルス、異常気象…。世界は今、解決困難な問題に直面していますが、本当に深刻なのは、それらが私たちの心にもたらす影響だと警告します。
アイスランド ハトラ・トーマスドッティル大統領
「健全な会話や民主主義が成り立たなくなっています。うつや孤独…私たちは孤独のパンデミックになるかもしれない」
「孤独のパンデミック」。こうした危機を脱する突破口こそ、「女性がリーダーシップを取ること」。ここ十数年の間で、世界では数々の女性リーダーが誕生しています。
アイスランド ハトラ・トーマスドッティル大統領
「女性がリーダーシップを発揮すると、人類の未来にとって重要な問題を議題にできることを知っています。女性は壊れた世界に光をもたらし、いやしてくれるのです」
女性が世界を変革すると確信する大統領。それには根拠があります。アイスランドでは1975年、男女格差などに抗議し、女性の9割以上が仕事や家事を放棄したといわれるストライキがありました。
その5年後には世界初の女性大統領が誕生しています。
「世界ではじめての女性大統領のはなし」より
「わたしは決心して、やってみることにしました。女性も男性も同じだと証明したかったのです」
今回のイベントでは、この初代女性大統領の存在も日本に伝えられました。
著者 ラウン・フリーゲンリングさん
「現大統領は(初代女性大統領と)同じ心と人格で話していると思います。ジェンダー平等について上手く話していて、同じ道を歩み続けてくれたらとても嬉しいです」
イベント参加者
「自分自身で動いて、諦めないで向かっていけるんだなっていう印象を持ちました」
こうした活動を通じて、大統領とアイスランドは男女が平等な社会の実現を目指しています。
アイスランド ハトラ・トーマスドッティル大統領
「私はジェンダーバランスのとれた世界は、実現できるだけでなく、実現しなければならないと確信しています」