
大相撲春場所は3月9日に初日を迎えます。1月の初場所後に横綱に昇進した豊昇龍関(25)が、一人横綱を担います。そんな豊昇龍関には、「日本の弟」と呼ぶ少年がいます。初場所の優勝の後には「弟」との約束を一つ果たしました。
1月26日の初場所千秋楽。2回目の優勝を果たし、パレードカーに乗った豊昇龍関の隣に、久保田輝哉さん(17)の姿がありました。輝哉さんはダウン症で、豊昇龍関は以前から「今度優勝したら絶対に隣に乗せてあげる。任せておけ」と約束していました。
特別支援学校高等部に通う輝哉さんは、小学校の頃から、地元の柏相撲少年団でけいこに励んでいます。母親のるりさん(56)が、少年団で代表を務める永井明慶さん(42)と知人だった縁で、相撲を始めました。永井さんはかつて高校時代の豊昇龍関を指導しました。輝哉さんが小学6年の時、少年団のけいこに訪れた豊昇龍関と出会い、交流を深めていきました。
豊昇龍関は、関脇だった2023年7月の名古屋場所で初優勝。るりさんと輝哉さんも支度部屋で祝福した後、すぐに引き揚げました。その後豊昇龍関からは、「2人を捜したのに。(輝哉さんを)車(パレードカー)に乗せようと思っていたんだよ」と言われたそうです。
昨年11月の九州場所では優勝を逃し、約束は果たせませんでした。しかし2か月後、その時が訪れました。パレードカーに乗り、肩を並べてバンザイし合う豊昇龍関と輝哉さんを目にしたるりさんは、「本当に貴重な体験をさせてもらった」と話します。
1月29日に東京都台東区の立浪部屋であった横綱昇進伝達式を輝哉さんとるりさんは見守りました。輝哉さんは「かっこよかった」と笑顔を見せました。その言葉を受け、新横綱は「もっとかっこよくなりたいね。頑張ります」と口にしました。
豊昇龍関は、新番付が発表された2月25日、立浪部屋が宿舎を置く大阪市住吉区の住吉大社内で記者会見しました=写真。「(番付の)東で一番上に(自らのしこ名が)載りましたね。うれしいけど、責任があると思う。ちょっと怖いけど自信をもってやります」と話しました。春場所に向けては、「横綱のプレッシャーを体で感じたい。負けても最後までやります。何があっても休場しない」と力強く語りました。