大阪府泉佐野市に来年、軽井沢のビール醸造所がオープン。建設費は“あの仕組み”で集めます。
泉佐野市で1月23日から工事が始まったのは、ビール醸造所『よなよなビアライズ』。長野県軽井沢町に本社を置く、人気のクラフトビール『よなよなエール』を製造する『ヤッホーブルーイング』の醸造所で、見学ツアーだけでなく、出来立てのビールを楽しんだり、ひねるとビールが出てくる蛇口を設置したりする計画も立てているといいます。
(ヤッホーブルーイング 井手直行社長)「泉佐野を訪れる人々が楽しめるように。日本でおそらく初めてのエンターテイメントを中心に楽しめるブルワリーができる」
市によりますと醸造所の建設費用は、約35億円。なんと、その全額を、企業ではなく、泉佐野市がふるさと納税を活用した補助金でまかなうというのです。
(泉佐野市 千代松大耕市長)「泉佐野市はふるさと納税で世間を騒がせたこともございましたが、街づくりという意味合いでは新たな可能性が広がっている」
泉佐野市のふるさと納税をめぐっては、アマゾンギフト券を返礼品にするなどして2018年に497億円の寄付を集めて全国1位に。しかしそのやり方に批判が集まり、国は返礼品を市内で製造するなどした地場産品に限るという新制度を設立しました。
そこで、泉佐野市が新たな取り組みとして開始したのが、ふるさと納税にクラウドファンディングの仕組みを取り入れた『#ふるさと納税3.0』。ふるさと納税で集まった寄付額の4割を、企業などが市内で地場産品を新たに開発するための補助金とする仕組みです。
これを利用して泉佐野市は2021年以降、それまでなんら関わりのなかった軽井沢のビール『よなよなエール』などをふるさと納税の返礼品として扱うことができるようになり、ビールを製造するヤッホーブルーイングは醸造所の建設費全額を補助してもらえることになったのです。
(泉佐野市 千代松大耕市長)「クラフトビールといえば泉佐野市に行けばおいしいビールがたくさん飲めるという街にしていきたい」
市によりますと建設費約35億円のうち集まっているのは約17億円で、今後も引き続き寄付を募るということです。醸造所は来年夏頃開業予定です。