米作家スティーブン・キング氏、アカデミー賞の中止要求　ロス山火事を踏まえ

（ＣＮＮ） 米国のホラー作家スティーブン・キング氏はこのほど、カリフォルニア州を襲っている山火事を理由に、今年のアカデミー賞授賞式は中止すべきだとの見解を示した。

キング氏は１６日、ＳＮＳのブルースカイにこの考えを投稿。「今年のオスカー（アカデミー賞）では投票しない」「私見だが中止すべきだ。ロサンゼルスが炎上しているというのに、贅沢（ぜいたく）にふけっている場合ではない」と指摘した。

映画の都ハリウッドの地域社会は壊滅的な山火事への対処に苦慮している。

米映画芸術科学アカデミーはアカデミー賞に向けた投票の期間を１７日まで延長。ロサンゼルス郡各地が火災に見舞われている状況に照らし、候補発表の日時を２３日に再設定した。

火災を踏まえ、ハリウッドの授賞シーズンは休止すべきだとの考えを示唆している著名人はキング氏だけではない。女優のジーン・スマート氏とパトリシア・アークエット氏も、中止案に公に言及している。

一方、アカデミー賞やグラミー賞のような式典を予定通り開催することを支持する著名人は、苦しい状況で前向きな話題を提供できる可能性を指摘する。

キング氏はこうした考えには賛同せず、１７日に返答を投稿。ブルースカイへの投稿で「アカデミー賞に関するあなた方の意見は聞いている。やれ人生の祭典だ、やれショーは続けなければならない、などなど」「どれも一理あるが、私にはローマが炎上するさなかに楽器を奏でる皇帝ネロのように感じられる。あるいは今回の場合、ロサンゼルスの炎上中に華美な服をまとう行為と言うべきか」と述べた。

米国時間１７日の時点では、グラミー賞は２月２日、アカデミー賞は３月２日にそれぞれ予定通り行われる見通しだ。