今、卵の価格が高騰するエッグショックへの懸念が広がっています。背景にあるのが、連日発生し、過去最悪のペースとなっている鳥インフルエンザです。
■卵の価格が…エッグショック警戒 鳥インフル“最悪の年に匹敵”
ふわふわのオムライスなど様々な料理で活躍している「卵」。実は、再び価格が上がっているのです。
買い物に来た人も驚いた様子で…
「卵は本当に高いですよね。卵は毎朝いただいていたので」
「ちょっと厳しいかな。もうちょっと安くなってほしい」
練馬区のスーパー「アキダイ」ではLLサイズの卵が1パック251円(税込み)で販売されていましたが“異常な高値”だといいます。(※値段は取材時)
アキダイ 秋葉弘道 社長
「平年ですと178円くらいなので、2~3割くらい高い状態が続いていますね。いまの価格帯っていうのは正直言って異常です」
JA全農たまごの調べでも卵の価格は 2024年に入り、落ち着いていましたが、9月になると暑さの影響で価格が急上昇。ただ暑さがおさまった今も価格は上がり続け、すでに11月は280円になっています。(※東京 卵Mサイズ(1㎏あたり)の平均価格 / 11月価格は20日までの平均値)
何が原因なのでしょうか・・・
アキダイ 秋葉弘道 社長
「厳しいですよ。卵って代わりがない。今まで色々な理由があったが、ここにきてさらに鳥インフルエンザがまん延し始めたのが大きな理由でしょうね」
各地で問題となっているのが『高病原性鳥インフルエンザ』の発生です。
19日、岐阜県本巣市の養鶏場のニワトリ10羽が高病原性鳥インフルエンザに感染。飼育されている、約1万5000羽の殺処分が決定しました。
鹿児島県出水市でも19日、高病原性鳥インフルエンザの疑いがあるケースが発生し、20日朝から約12万羽の殺処分が始まりました。
こうした感染は10月17日に北海道厚真町の養鶏場で見つかったのを皮切りに、10か所で確認されています。
江藤拓 農林水産大臣(11月15日)
「今年の発生ペースは、一番最悪だった時とほぼ同じペースであります」
発生が過去最多だった2022年に匹敵する勢いで鳥インフルエンザが発生していて、卵の価格が高騰する“エッグショック”の再来が懸念されています。
農水省は21日、各都道府県の担当者を集め緊急会議を開く予定となっています。
■鳥インフル拡大 今後の価格は? 再び“エッグショック”か
井上貴博キャスター:
東京におけるMサイズの卵の平均価格の推移を見ますと、2023年4・5月は鳥インフルエンザの状況もあり価格が上昇しましたが、今回の価格上昇について専門家は「2023年の“エッグショック”までにはならないならないだろう」という見立てです。
【東京 卵Mサイズ(1㎏あたり)の平均価格(JA全農たまご調べ)】
・2022年1月:151円
・2023年4・5月:350円(過去最高値 いわゆる“エッグショック”)
・2024年1月:180円
・2024年11月:280円(11月20日までの平均値)
ホラン千秋キャスター:
確かに2023年のエッグショックの時の卵の価格は高かったですね。
井上キャスター:
「卵は物価の優等生」といいますが、生産者にとっては値上げや価格転嫁ができなくなる苦しい言葉だとおっしゃる方もいます。適切に価格転嫁ができるといいのですが、価格が上がりすぎると生活が大変になってしまいます。
東京農業大学元教授の信岡誠治さんは「今年は日本だけではなく、世界中でウイルス濃度が高いので、(鳥インフルエンザに)いつかかっても不思議ではない状況。年内中もう少し価格は上がるかも」といいます。
ホランキャスター:
確かにクリスマスに向けて卵の需要が上がりますからね。