(CNN) 米ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が大リーグ史上初の本塁打50本、盗塁50回を達成した「50―50」ボールが23日、439万2000ドル(約6億6000万円)で落札された。ただしこのボールの持ち主を巡っては裁判で争いが続いている。
50―50は9月19日に対マイアミ・マーリンズ戦で達成。大谷選手は本塁打54本、盗塁59回でレギュラーシーズンを終えた。
オークションを主催したゴールディンによると、439万2000ドルという落札価格は野球ボールとしても、スポーツ用のボールとしても史上最高値。3週間の期間を経て終了直前の23日未明に入札が相次ぎ、価格が跳ね上がった。
ゴールディンのケン・ゴールディン最高経営責任者(CEO)は、「大谷翔平はこのボールで歴史をつくった。そして史上最高価格で落札されたこの伝説的な記念ボールが再び歴史をつくった」と述べ、「世界中から入札があった。この象徴的な記念品の意義と、大谷がスポーツ界に与えた影響の大きさの証しだ」とコメントしている。
50―50ボールの落札者は非公開だが、所有権をめぐっては争いが続いている。
オークションが始まった直後、ボールの正当な持ち主は自分だと主張するマックス・マタスさん(18)は訴えを起こし、ボールの「隠匿、持ち逃げ、売却」防止を目的として仮差し止めを請求した。
訴えによると、マタスさんは18歳の誕生日を記念してドジャース対マーリンズの試合観戦に出かけ、大谷選手の50―50ボールをキャッチした。ところが直後にクリスチャン・ザチェックさんが両脚の間にマタスさんの腕をはさみ、マタスさんの左手からボールをもぎ取ったとしている。
ザチェックさんがボールを掲げて見せる前にマタスさんから奪い取った証拠として、複数の観客が撮影した映像も提出された。
ゴールディンはCNNに寄せた今月7日の声明で、「係争中の訴訟に干渉されることなく」オークションを続行することで全当事者が合意したと説明した。
マタスさんの代理人は、オークション続行で合意したことを確認した上で、訴訟は継続していると強調。「売却の手続きは裁判所の管轄下に置かれ、誰がボールを保有して売却するかは陪審員が決定する」と説明した。
ザチェックさんの代理人も18日、ボールに関して訴訟の全当事者間で合意が成立していることを確認し、買い手に対して一切の法的措置が起こされることはないと話している。